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写真豊富な のぶながワールド

≪ 銀竜草 (ギンリョウソウ) 長期観察 写真 ≫

登山中に、気にかけていると、たまに見つける事ができるが
登山中では、通過するだけなので、その生態は把握できない。
我が家の近くに群生地があるので、芽吹きから休眠までを毎日、観察・撮影した。







まぶしく清楚な銀竜草

個体番号―01


「 銀竜草 」は、名付けられたその名のとおり、
銀のように渋みのある光沢
首をもたげた龍の如き気高さがある。

中国では、「 水晶蘭 」 と呼ばれる。

しかし、この気品ある姿は、、、条件が厳しいのである。
勢い良く伸びている期間、、周囲の泥などの汚れにまみれていない。
そして、ま近で UP で見る。 という条件である。

泥やゴミで汚れ、虫に食われたりすると、茶色に変色し、、薄汚くなってしまい、、
別名の ユウレイタケ (幽霊茸) になってしまうのである。

気品ある女性と同じく、美しいものほど、、際どく崩れ易いのである。




個体番号―01




個体番号―02




個体番号―03




個体番号―04













☆ 銀竜草とは、シャクジョウソウ科の 多年草

    ベニタケ属菌類と共生し、間接的に有機物を吸収している。

    地下茎 と果実(液果)の中の で増える。


☆ 我が家近くの群生地は、、

確認できる範囲で、
株数で 70株以上
花の本数で500本以上はある 一大群生地である。

アルプス登山の途中だと、2〜3株、、
大峰山系でも、5〜6株、、に遭遇する程度である。

私の体験では、この群生地よりも多いのは、
斜面一面に生息する 芦生の森 しか知らない。

我が家の近くにある、、と言うよりも、、、我が家が山にある、と言った方が判りやすいだろう。
今でこそ住宅地に思えるが、30年前に我が家を建てる時に、、電気が来ておらず、、電柱を3本有料で建ててもらったような土地である。
近所の日常的な情景は、、、 ↓ ↓

08-04-30







08-05-27



08-05-04



08-05-30




08-05-08



08-05-27



08-05-28
とまあ、、こんな情景に囲まれている。

銀竜草の大群落があっても極自然で日常的なのである。






■ ■  顔出し  ■ ■


08-04-25



数多くある株が一斉に伸びだすわけではない。
早いものが伸びきっているのに、未だ落ち葉の下に埋もれているのもある。


08-04-25




08-04-25




08-04-25


地表に顔を出した時には、既に、、花は確りと付けている。
花の状態はそのままで、花茎だけが伸びていく。

花びらは、開かずに閉じたまま。
08-04-30


花茎には鱗片状の葉が取り巻くように付いている。




■ ■  花茎の成長と開花  ■ ■


個体番号―05      08-04-30




花茎が伸びるに連れて次第に、、蕾が開いてくる、、花茎の最上部の花びらが大きく開く。
個体番号―06
08-04-29



08-04-30



08-04-29


08-04-30




個体番号―03    08-04-29

透き通るように色素がない。
キノコのように弾力がありそうだが、、
全く硬いのである。
水水しいが、新鮮な大根よりも硬い。


成長の速い株は、花茎が細い。
この時点で早くも倒れかけている。

個体番号―04     08-04-28



08-04-29















雄べと雌べを包む花びらは、3枚が殆んどで、たまに4枚。
雌べの周囲に密着する雄べの数は、9,10、11、12、13、14枚と
様々で、決まっていないようである。




雌べの先端の形状、色も様々である。


個体番号―07


初期は、雄べと雌べの高さはほぼ同じ。




一株の全部の花の芯が、、ピンク色になっている株があった。  個体番号―07  08-05-08




通常は白っぽいのだが、、この株は明らかにピンクが透きとおって見える。





↓  後日、熟して落下した花を見てみると、花茎の中心だけがピンク色である。(右)  ↓
08-05-15
(左)は、落花前の状態では気が付かなかったが、、濃紺である。
 この色の花は数多くあるので、熟すと濃紺が普通なのかもしれない。










08-05-07


08-05-03




■ ■  受粉 ■ ■


あまり虫が訪花する光景は見なかったが、、
数少ない写真である。

08-05-03



おしべはめしべの周りに密着しているので
自然に授粉する場合も多いと想像できるのだが、、

異なる花でないと受精しないのなら、虫の仲介は必要だろう。

雌べの先端の青い部分は、粘着質である。

左の株では、、毛虫が花びらをかじっていた、、
しかし翌日には、、その死体が間に横たわっていた。

この時期、サツキ、テッセンなどの花は
毛虫の食害が著しいのに
この銀竜草の花の殆んどが無事なのは
虫にとって毒なのかも知れない。

固く、サクッと噛み切れそうな食感なので
案外、人間にとっては珍味かも知れないが、、、



■ ■  受精  ■ ■

08-5-15

受精した後の雌べの変化は著しい。


受精し熟成するに連れて、雌べの高さが伸びてくる。

08-05-16



08-05-16

ムンムンと熟していく光景は生々しい。


08-05-23

受精細胞の次の生命への過程が生々しく伝わってくる。

08-05-16

雌べが徳利のように大きく膨らんでいき、
雄べをぐんぐんと引き離していく。

08-05-23

これは、横に太ると言うより、、ぐんぐんと長細く伸びていく。


08-05-30

雌べが大きくなり、、雄べを完全に切り離していく。  花びらも朽ちていく。


↓ ついに、、熟した果実となり、中に無数の小さなタネをはらみ、、地に落ちていく。 ↓

08-06-01





■ ■  休眠へ  ■ ■


個体番号―04
早くから細く伸びきっていた株なのだが、、枯れるのも早い。
地上に顔を出し初めて約1ヶ月半で地上部分は枯れ果てる。

08-05-23

根元部分が細く萎縮して倒れる。

08-05-28

花茎部分は茶色く枯れ果てる。

08-05-30

花茎部分が枯れ果てて土に同化しても、、果実部分は確りと硬いままである。


果実部分は、液花となり、、種が流れ出すそうだが、この時点では確認できない。



完全に地上部分は消滅してしまった株も、、地中の部分は、確りと地下茎として大きくなっている。
来年は、この地下茎から数多くの花を咲かせる、、そして、、飛び散った種でも新しい株を作るのである。




4月後半から顔を出し始め、、6月初めに早いもので地上から姿を消すが、、
大半はまだまだ、、茶色く傷つきながら、、地表で種をまこうとしている。









銀竜草が、、その名の如く美しい姿でなくなる頃は、、、

他の領域で、、白糸草の開花を楽しむ。


08-05-18



08-05-27


08-05-23

08-05-27


08-06-01



←  ↑
 背丈は 35cmある巨大な白糸草。


白糸草は、、私が毎日回る12kmのコースには、8箇所の群生地がる。

珍しいと言うほどでもないが、、何処にでもあるというのは憚られる。











そして、、、白糸草の次に楽しみにするのは、、、、ササユリである。

20株見つけているが、、蕾のあるのは2株だけである。
楽しみな山歩きである。

08-06-01 (A)



08-06-01 (B)



所在場所については、、、、
それぞれが、、発見するのを楽しみにするお花なので、、、特記しない。





08-06-06 追加

↓ (B) の株が、、、残念ながら首から折れていた。 ↓
多分、虫にかじられたのだと思う。
08-06-06 (B)

白糸草も花だけが切り取られているのが多い。
虫害と思われる。


ササユリの蕾は一つになったと、口惜しい思いで、、
新しい株を探そうと、いつもよりゆっくりと、、歩く。

甲斐あって、、新しく5箇所で、10株発見!!!
↓ その内、1株は蕾を付けていた。 ↓
既知の (A)株よりも、、大きな株である。

08-06-06 (C)


08-06-08 に新たに2箇所9株発見、、蕾み付きは2株。
毎日通っている場所なのに、、今まで気が付かなかった。

この時点で、11箇所で39株(蕾は付きは4株)
これだけ見つかると、、なんだか珍しさが薄れてきた。



08-06-12


新たに1箇所2株追加、、、1株に2輪付いている。 総計12箇所41株!




既知の一番大きな(C)株が色づいてきた。 あと数日で開花だろう。


一番大きな白糸草は50cmを超えてノビノビと、、

08-06-14 既知の2箇所で、、新たに蕾付きの株を、1株+2株発見。  いずれもピンクに色づき2〜3日後には開花しそうである。
この時点で、、蕾み付き総計 8株 に増えた。


08-06-15 新しく4箇所で、、新たに蕾付きの株を、1株+1株+1株+4株発見。  もう色づいているので発見は容易。
この時点で、、蕾み付き総計15株 に増えた。

今日現在で、開花したのが1株、下のように開きかけが4株である。  明日はこの4株も開花するだろう。






☆ ↓ ☆     おまけ     ☆ ↓ ☆

08-06-07


↑ このきのこ、、翌日の06-08 には全てが大開だったが、08-06-12 には 蹴散らかされて、、もうこの場には無い!!!!
猪か 人か ?  自然界とは厳しい環境である。  順風満帆に遭遇すれば喜ぶべき事であろう。



08-06-07

もはや、、私の感性では、、人為的、人工的の極みとしか感じえない。  紫陽花よりはマシだが、、、





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