≪ マントヴァ、テ宮殿の「ジュリアーノ・ロマーノの巨人の部屋」が気になって再訪 ≫

2004年GWイタリア、フランス旅行報告(8)
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■ マントヴァという地名を憶えたのは、”リゴレット”の公爵がマントヴァ公爵という設定だったからで、フェラーラのイザベッラ・デステやゴンザーガ公の話題は、その後に関連付けされたもの。

最初にマントヴァを訪れたのは、アリーナのオペラが目的でヴェローナに滞在した1996年夏。
初日の日中に、ヴェローナ市内の見学を全て終えてしまったので、
2日目はクレモナとマントヴァを訪れた。 この時のオペラは、アイーダ、ナブッコ。
夜のオペラに間に合わせる為に、マントヴァは大急ぎで回ったので、思い出は少ない。

■ ジュリオ・ロマーナ(Giulio Romano,1499〜1546)なる画家に興味が出てきたのは、ズッと後年の事。 マニエリズム関連の画集で、「神々と巨人族の戦い」の絵を見て、、
「遥か天上の神々」 から 「地上で崩壊する巨人族」 まで の高度差のある絵を見て
その部屋の構造が想像できなかった。  訪ねた事のあるマントヴァで、その絵のある テ宮殿 を省略していたのが残念で、、、機会を見つけて行かねば、、気が収まらない。
という事情で、今回の旅行では、優先順位が高かった訪問地であった。


ジュリオ・ロマーナ
巨人の間の上半分



巨人の間の下半分
壁の一面


↓ 鉄道でヴェローナで乗り換えマントヴァへ、、
ところが、、今日は日曜日
予定していた早朝のメストレ発の列車が、、無い、、、
トーマスクックの記号を見落としていた。
次のメストレ発だと、ヴェローナからマントヴァ行きに僅か数分遅れる。
マントヴァ行きの次発は3時間もある、、、と最悪。
ヴェローナ→マントヴァのバスを探したが、列車より遅い。

とにかくマントヴァは不便なのだ。
ヴェローナの3時間を、、、市立美術館(Castel Vecchio)で費やす事にする。
ひょっとすると、ティエポロ作品があるやも知れぬ。
もしあれば、立ち寄った意味付けができる、、と
時刻表を見誤った、どうでもよい言い訳を考えながら、、、、、、、、


ヴェローナで目に付いたのは、、、とにかく老人が多い、という事
↓ アリーナのあるブラ広場も年寄りばかり、、、、↓市立美術館     美術館内部も老人ばかり ↓
最初に訪れた時は、オペラがメインで、イタリア美術は、ベルニーニ、ラファエロまで、、、
ティエポロまでは未だ興味が湧いていなかった頃なので
この美術館も軽く見て回っただけだったのだ。
ありました、ありました。
大作ではないけれど、ティエポロ作品は所蔵。

美術館にとって、、
数の少ないダ・ヴィンチは諦めていても
ラファエロなら習作でも小品でも所蔵すると格が上がる。
ティエポロも何点かは所蔵していない一流とは言えない、、、、と考えているのではと思えるほど、、、それなりの美術館にはティエポロはある。


市立美術館の前を自転車の列が、、驚く無かれ、数百mも続いていた。
テイエポロを見つけて、無駄ではなかったと満足しながら
ヴェローナからマントヴァへ

↓ ヴェローナ駅を出て直ぐに北方向に見える素晴らしき風景 ↓


↓ ミラノは左手方向になる。 ↓


↓ マントヴァ駅到着直前の景色、、スーペリオーレ湖 ↓



↑ マントヴァ駅

↑ マントヴァ駅前、相変わらず貧相
マントヴァは観光地なのに、、駅には観光客はいない。
ところが、、、サンタンドレア教会〜ドウカーレ宮殿の間だけは、、観光客が程ほどにいる。
一体、何に乗って集まって来るのだろうか、、観光バスも見当たらない、、、

バス路線も判らないので、タクシーで料金を確認してから、テ宮殿に、、、、
広い公園の一角にテ宮殿がある
テ宮殿 Palazzo Te
テ宮殿はゴンザーガ家の別荘。 ジュリオ・ロマーナの建築、 1525-1535年
内部の壁画もジュリオ・ロマーナ作
庭園から見た本館


↓ ダヴィデのロッジア ↓
本館から池、エクセドラ。 左隅がグロッタのある秘園
秘園と奥がグロッタ

全くありふれたモノ

↓ 待望の「巨人の間」 ↓
、、、、
、、、、
(撮影禁止なので、画像はガイドブックより、、)
意外や意外、、
少し大きめの部屋に過ぎない、、、
ウーン、、と、、期待ハズレなんだ。
よく考えてみると、、、
写真で見て 「凄い」 と思わされたのは、、
ジュリオ・ロマーナの絵が凄いからなのだ、と気が付いた。
天上から地上の高度差をリアルに感じさせるテクニックが凄いのだと、、
2次元世界の写真だと 3次元の現実の距離感がないから
単純に遠近法で騙されてしまったという事なのだ。


↓ プシケの間 ↓
写真を見て現物を想像する。  体験が増えれば増える程に、写真のイメージと現実との差は少なくなる。
写真を撮る時は、できるだけ現物が良く見えるように撮ろうとする。
360度の2次元に、天井画の3次元が加わって、それに絵の特異性も加わって
写真から現物を想像する作業に少し失敗をしてしまったようだ。 新しい経験であった。

南の端のテ宮殿からドゥカーレ宮殿までは2km弱
タクシーは見つからず、バスルートもわからない。
歩くしかない。  暑いのだ。

日曜のせいか、街中はヒッソリ
商店のドアはピッタリ閉鎖、、、

↑ サンタンドレア教会

↑ 右がロトンダ、時計台前がエルベ広場
↓ ドゥーモとドウカーレ宮殿
サンタンドレア教会はお昼の休憩で閉鎖。
前回もここは見れなかった。

ここだけ賑わうエルベ広場を通り過ごして
ドウカーレ宮殿へ、、、、ここには大量の展示物
帰りの列車も数少ない、、見学も早足で、、、
マンテーニャ等の作品にまで未だ興味をまわせない。
好きになるにも数に限度がある。
それでも、ロマーナの絵を見つけてニンマリ、、
ジュリオ・ロマーナ作 「 トロイ 」
ジュリオ・ロマーナ作 「 トロイ 」


ドゥカーレ宮殿前で、ピッツァとカプチーノで昼食

バスのチケットを買ってバスを待つが、、
「歩いた方が確実だ。」
列車に遅れるわけにはいかない。
と歩き出して、途中の風景を見て思いだした。
「前回も、バスチケットを買って、結局歩いたのだ」

中途半端な観光地、、活気のある地元でもない。
私には、よく判らない町である。


数少ない列車に乗って
ヴェローナで乗り換え、
ヴェネツィアまで行き、夕食。


とにかく宿題を一つ終えて、無事就寝。


■ <2004年GWイタリア、パリ近郊都市21日間旅行 目次>

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