≪ ヴェネツィァ本島のティエポロ(カルミニ大信者会等) ≫

ティエポロを訪ねて(3)
ジャンバッティスタ・ティエポロ、Giambattista Tiepolo (1696-1770)
2004年GWイタリア、フランス旅行報告(4)
感動の共有、のぶながTOPページへ 写真豊富な、のぶながワールド

■ ティエポロの絵のある教会、邸宅は、ベネツィア本島が圧倒的に多い。
公開している教会、美術館の他、建物が他の目的に使用されて一般公開していない所など様々。
今回は公開している施設だけでも、一部しか見れなかった。

訪れた所:
カルミニ大信者会(Scuola Grande dei Carmini)
カ・レッツォーニコ(Ca'Rezzonico)
サン・ロッコ大信者会(Scuola Grande di San Rocco)
サンタ・マリア・ディ・ジェズアーティ聖堂(Santa Maria dei Gesuati)
アカデミア美術館(Gallerie dell'Accademia)
ドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale)

今回訪問できなかった所:
ラビア宮殿(Palazzo Labia)
ピサーニ・モレッタ宮殿(Palazzo Pisani-Moretta)
サンティ・アポストリ聖堂(Chiesa Santi Apostoli)
サンタル・ヴィーゼ聖堂(Sant'Alvise)
サン・マルコ聖堂(San Marco)
スカルツィ聖堂(Chiesa degli Scalzi)
サンディ宮殿(Palazzo Sandi)
ゼノビオ宮殿(Palazzo Zenobio)
サンタ・マリア・ファーヴァ聖堂(Chiesa di Santa Maria della Fava)
サンタ・マリア・ピエタ聖堂(Chiesa di Santa Maria della Pieta)
サン・スタエ聖堂(Chiesa di SAn Stae) 、、、他

今回訪問した所は全て、写真撮影禁止なので、掲載画像は画集、絵葉書より取る。


★ カルミニ大信者会 ★

マルゲリータ広場を通り抜けた所に、カルミニ大信者会、カルミニ教会がある。

サンロッコ教会からマルゲリータ広場に向かう
ゴミの収集も舟からクレーンで、、
マルゲリータ広場は、観光客は極端に少ない。 地元の人のお店、カフェ、大きな広場全てが庶民的雰囲気
色鮮やかに青果を並べた出店
魚屋、、、やはり臭い
← 白い建物が、カルミニ大信者会、
その奥が、カルミニ教会だ。

カルミニ大信者会は1階が
受付兼ブックショップで
2階に見るべき部屋が3室ある。
さすがに Book Shop は
ティエポロ関連で充実している。
\万を越える買物をしてしまった。


← ↑
2階の大広間の天井
テイエポロの9枚の絵で埋め尽くされている。
圧巻である。

天井画なのに、カンヴァスに油絵である。
側壁の絵はティエポロではない。
↓ 天井の9枚のティエポロ
↓ 聖シモン・ストックに現れる聖母子
The Virgin Appearing to Blessed Simon Stock
1740〜1744, 533 x 342 cm

ウェルツブルグやピサーニ荘の巨大な天井画には圧倒されるが、ここのように我が家に近い天井の高さ、、
全てが、天上に舞うティエポロ作品、中心は慈悲深い聖母、、正に身近に幸せに酔える居心地の良さである。


↑↓舞う天使に溢れている


↑ 煉獄の魂に肩衣(スカプラリオ)を示す天使

↑ 足場から落ちる聖母信者を助ける天使

↑ Fartitude、正義

↑ 倹約、誠実、自制
↓ 真実、希望、慈悲


↓ 忍耐、潔白、貞節




★ カ・レッツォーニコ ★

マルゲリータ広場からサン・バルナバ広場を通り、大運河沿いのカ・レツォーニコへ


↑ 運河に浮かぶ八百屋
↓右がサン・バルナバ教会
左の小さな建物が映画「旅情」の舞台骨董店
教会は、インディジョーンズの舞台らしい、、
↓ 一旦運河に出てから入るカ・レツォーニコ
予想外に大きな博物館である。
2階、3階と見るべきティエポロがある。

↓ 背信を投げ飛ばす高潔と美徳
280 x 420 cm, 1744〜1745


↓ 功徳の寓意
1000 x 600 cm, 1757〜1758

↓ 功徳の寓意、部分拡大

← ゼフロスとフローラの勝利
395 x 225 cm, 1734〜1735

↓ 結婚の寓意
630 x 1030 cm




★ サン・ロッコ大信者会 ★

ローマ広場から地図を頼りに歩く。
日本のガイドブック付属の地図ではなく、
現地モノを日本で購入したもの。
全ての通りの名前が記入されていないと役に立たない。



左がサンロッコ大信者会、
右がサンロッコ教会

ティントレットの絵で溢れている中、
片隅にティエポロが2点立掛けてあった。
ティントレットが圧倒的な場所を占有している中で
ちょっと不釣合いのような気がしたのだが、、、

↓ アブラハムと3人の天使
140 x 120 cm, 1732〜1733
年老いた妻サラに子供が授かる、とお告げ
そしてイサクが生まれ、イシマルが邪魔になる。

↓ 荒野のアガルとその子イシマル
140 x 120 cm,1732〜1733
サラに追い出されて、荒野で渇き
天使に水の在処を指し示される。
Udine でも同じ主題の絵を見ている。
アブラハムのエジプト人下女のハガル(アガル)に同情するからなのか、、彼女の絵画に興味が湧いてくる。

絵の大きさ、人物とのバランス、それぞれの表情、、、とても親しみの湧く2点である。
( 2001年のヴェネツィア絵画展で、東京には来たが、京都には来なかった2点である )

★ サンタ・マリア・ディ・ジェズアーティ聖堂 ★
ザッテレ河岸にある Gesuati 教会

ザッテレ河岸は、地元の人々がくつろぐ場所。

観光客の雑踏で風情も何もない
スキアヴォーニ河岸に不満なら
ここに来れば良い。
旅をして、現地の空気に触れている気になる。

↓ 内部の天井全体
教会の入口からは想像つかなかったので
驚いてしまった大きさである。
↓ 天井画中心の 「ロザリオの制定」
1200 x 450 cm, 1737〜1739
↓ ドメニコの栄光
350 x 450 cm,
↓ ドメニコに現れる聖母の幻影
350 x 450 cm,
← 聖母、聖カタリナ、聖ローザ、聖アグネス
340 x 168 cm, 1740

↓ 竪琴を弾くダヴィデ王
1748

★ アカデミア美術館 ★
有名なのに、ティエポロに関しては、意外にもめぼしい物がない。


↓ 真の十字架の発見と聖エレナ
500 cm, 1743
↓ ロレートの聖家の奇跡
124 x 85, 1743〜1745
下絵である
↓ 聖ガエタヌスに現れる聖家族
128 x 73 cm, 1730ca.
↓ キリストを抱く聖ヨセフ達
210 x 114, 1732〜1733
↑ この2点は、1730年初めの作品、遠くから見てもティエポロだと判る特徴が、構図に未だ出ていない。 ↑

↓蛇 ( Eherne Schlange )
164 x 1356 cm
↓ ディアナとアクタオン
100 x 135 cm, 1720〜1722

若い頃の作品、、、
↓ ディアナとカリスト
100 x 135 cm, 1720〜1722

全く画風が違う

★ ドゥカーレ宮殿 ★

ヴェネツィアに富を捧げるネプチューン
135 x 275 cm, 1756〜1758

正にドゥカーレ宮殿にふさわしい主題である。

↓ 建物の前まで行ったが、見学していないパラッツィオ ↓

クレオパトラとアントニウス等の
素晴らしい作品が多数あるラビア宮殿。
現在は放送局となっている。
リクエストすれば見学できるそうである。
ゼノビオ宮殿
現在は結婚式等に利用される貸しホール。
日本でも結婚式の予約を募集している。


がんばって見たつもりだが、、、まだまだ宿題が残っている。
ま、あせることもないだろうし、、そんなに見ても新たな発見もない、、かも知れぬ、、、、、

今回だけでも、年代による違い、依頼主とテーマ、など
ティエポロへのイメージが具体的な方向に固まるキッカケになりつつある。
ダラダラと永く接していると、感性が麻痺して、表面しか見ていない場合が多いが、
集中的にまとめて接すると、大きく判断でき、皮相部分が見抜け始める。


■ <2004年GWイタリア、パリ近郊都市21日間旅行 目次>

のぶながTOPへ             
   前画面へはブラウザの<戻る>で戻って下さい。