≪ ウーディネ( Udine )、ムード満点のティエポロの街≫ ティエポロを訪ねて(1)

2004年GWイタリア、フランス旅行報告(2)
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■ ヴェネツィア(メストレ駅)から鉄道で北東へ 2時間弱の古都。
大司教館、ドゥオーモ、プリータ礼拝堂、市立博物館に目指すティエポロの絵がある。
ジャンバッティスタ・ティエポロ、Giambattista Tiepolo (1696-1770)


丘の上に立つカステッロ(市立博物館)から展望、
石畳の坂道と並ぶ趣のある長い柱廊、屋根には藤の花が這う
塔はドゥオーモの鐘楼。 右端にサンジョバンニ教会の時計塔


初めてなのに、懐かしく感じてしまう柱廊であった。


列車からの北方向の風景、、
フランス、オーストリアとの国境方向である。

今日は土曜日ではあるが、途中停まる駅からは、学生が乗り降り、
車窓からは、遥か遠方に雪をいただいた山々、耕作地、川の流れ、、と魅力的な時間である。
広大な畑とともに、工場が見える

ヴェネツィア(サンタルチア駅)から136km、メストレ駅から127km、片道6.82ユーロ
↓ ウーディネ駅
↓ 駅正面のローマ通り
 ↓ バス車内
駅のタバッキでバスチケット2枚を買い、1番のバスでリベルタ広場へ。

リベルタ広場近くのバス通り、両側は商店街、、歩道は建物内にある。
観光客なんて皆無、、殆んど地元の学生がアベックで、グループで、、、

↓ リベルタ広場
サンジョバンニ教会の時計台と柱廊(ポルティコ)
↓ 市庁舎(リオネッロのロッジア)
土曜日の9時30分
見える人といえば殆んど学生
大学と軍隊の街でもあるらしい。
サンジョバンニ教会の柱廊で集う女学生

↑ 不思議なことに誰もタバコを吸っていない、、高校生?
ボローニアの学生の印象は、ゴミゴミ汚い所で高密度にワイワイガヤガヤ、バイクがブオーンと
全く良い印象はなかったが、、
ここウーディネはノンビリ、ユッタリ、ノビノビと、、古都というイメージがピッタリとする。
もう一度改めて、何も目的を持たずに、ノンビリと訪れてみたい街である。
↓ サンジョバンニ教会前
丘の上がカステッロ(市立博物館)
上り口にボッラーニの門(パッラーディオ設計)

柱廊に、上に掲載の女学生が写っている↑
↓ カステッロに向かう坂道と柱廊
ここでも学生さんばかり、、
柱廊内では、アベックが、、

↑左上が市立博物館
↓ 市立博物館の玄関からの眺め
この街への外来者は私一人かと思えるほどに、ウロウロする人は見えない。
博物館内も、監視員以外に、一人か二人に出会っただけ。
(博物館内は撮影禁止なので、画像は画集から撮った。)
ティエポロ作
『剛毅と英知』 La Fortezza e la Sapienza
179 x 251 cm


ティエポロ作
『天使の守り』 L'angelo Custode
99 x 232cm


ここでのティエポロは上の2点のみで
後は議会大ホールが目立った見ものであった。
↓ カステッロの裏庭からの大展望
北方面、フランスからオーストリア国境方向である。


画像クリックで<拡大画像>

リベルタ広場を抜け、学生で賑わうカフェの横を抜けると直ぐにドゥオーモ前にでる。
プリータ礼拝堂はドゥオーモの右手にある。
↓ ドゥオーモ、1300年代建築(1700年修復)
八角形の鐘楼は1400年代に増築

↑ 左がティエポロ作の礼拝堂 Trinita
丁度、目当ての礼拝堂だけで儀式の最中であった。
参列者は、礼拝堂内部に10人強、
教会中央の椅子に10人程。
他の礼拝堂を静かに見学の後、
少し離れて椅子に座り儀式の終了を待ってみる。

牧師の朗読、ワイングラスを傾け
参列者が壇上でテキストを読む、
牧師さんが演技、朗読、、、
突然、参列者が周囲と握手し始める。
少し前に座っていたご婦人が振り向いて
手を差し伸べる、、、、
私も笑顔で握手。
参列者が牧師さんの前に並んで
一人ずつ祝福を、、、
先程のご婦人は、こちらを向いて軽く会釈をして帰られる。

↑ 落ち着いて見ればよいのだが、、、
遠過ぎて細部がわかり辛いが
明るい色彩の礼拝堂となっている。
こんな軽快で華麗な礼拝堂は初めてではなかろうか!
さすが、ティエポロである。
↓ ドゥオーモの横、道1本隔てて
プリータ礼拝堂、Oratorio della Purita

ティエポロ作品は、3点以上ある筈。
左の入口から入って見ると
中庭のようなスペースがあり
教室のような場所で授業?集会?

邪魔をするわけにいかず、、、
他に入口はない、、
仕方なく内部見学を諦めて
大司教館に向かう。
↓ 入れなかったプリータ礼拝堂内部

プリータ礼拝堂で見られた筈の
ティエポロ作 『 聖母の被昇天 』 1759年
1900 x 1000 cm?

ドゥオーモから200mも歩けば 大司教館

↓ 右の四角い建物が大司教館
L'Archivescovado di Udine
Museo Diocesano
交通量の多い道で、車の列が途切れるまでしばらく待って、急いで渡り、建物中央の入口に、、、

大司教というのは、地方のカトリック教会の頂点の座。


手荷物を受付の椅子に置いて入館。

2階からが見学コースなのだが、、2階にはめぼしい物はなにもない。
ティエポロは3階に集中している。

↑ 階段の天井画

↑ 何もない2階を端まで素通り、、

↑ 端まで来て3階へ、天井画
後から、ガイドが説明する数人の見学客が、、
そして、別に一人の見学客、、これだけである、、入館者は
↓ 階段の天井画
↓ 3階最初の部屋、、図書室

≪ソロモンの審判≫の間
↓ いよいよ、本格的にティエポロの作品である。 ↓

★ 「ソロモンの審判」とは:
2人の母親が1人の赤子を、我が子だと争い
ソロモン王が、赤子を2つに切り割いて別けよ、と裁定し、
一方の母親が、赤子を殺してはならない、と引き下がったのを見て
こちらが本当の母親だと、判断した話である。
↓ 天井の中央に 「 ソロモンの審判 」
↓ 4隅の絵の一つ
↓ ソロモンの審判 ↓

360 x 655 cm, 1726-1729
まさに、赤子を切り裂こうとした瞬間
↓ 止めに掛かる母親と、偽りの母親 ↓


預言者イザヤ JESAJA
200 x 250 cm, 1726-1729
次の部屋
別の部屋

≪ アブラハム → イサク → ヤコブ ( 親子3代 ) ≫の間
意外にもここは、廊下のように細長い、と言うより、廊下そのものだ。

↓ 天井に、<イサクの犠牲><ヤコブの夢><荒野のハガル> ↓
壁中央に<父ラバンから偶像を隠すラケル>
壁左右に<3人の天使とアブラハム> <天使とサラ>
と、見慣れた絵柄が贅沢に並んでいる。
<旧約聖書の物語>

★ 3人の天使とアブラハム: アブラハムとは、最初の偉大なユダヤの族長。
3人の天使が、アブラハムに、年老いた妻サラに息子が生まれることを予言するが、信じない。
後に、予言どおり、息子イサクが生まれる。

★ 荒野のハガル: アブラハムは、イサクの前に、エジプト人下女のハガルに長男イシマルを生ませていた。
イサクが生まれたので、妻サラは、イシマルとその母ハガルを追放するようにアブラハムに頼む。
アブラハムは、二人を荒野に追いやる。
荒野で水が尽き、イシマルを木の下に置き死を覚悟していると、天使が現れ、水の在処を教えて、二人は救われる。

★ イサクの犠牲: 神はアブラハムの信仰を確かめる為に、息子イサクを生贄にするよう命じる。
アブラハムは、命じられるままに、イサクを生贄にしようとした瞬間、天使が現れてアブラハムを制して
アブラハムの信仰を認める。

★ ラケルとレア、その父親ラバン:
イサクの双子の子の一人ヤコブは、伯父ラバンの娘ラケルと結婚を望み、その代償としてラバンの下で7年間無償で働く約束をする。
婚礼の際、ラバンは謀り、ラケルの代わりにもう一人の娘レアと結婚させてしまう。 そして、さらにラケルと結婚したければもう7年働けと要求する。
ヤコブは要求を果たし、ラケルとレアを妻としてから、ラバンから逃れる。
その逃亡の際、ラケルは父ラバンの守護神の偶像を盗む。 気づいたラバンは追いかけ、ラケルに迫る。
ラケルは、ラクダの鞍の下に偶像を隠して、その鞍の上に座り、隠し通す。

★ ヤコブの夢: ヤコブは旅の途中、天に掛かった梯子を天使たちが上り下りする夢を見る。
そして、神が、ヤコブにイスラエルの土地を約束する。
<3人の天使とアブラハム>

400 x 200 cm, 1726-1728
<天使とサラ>

400 x 200 cm, 1726-1728

↓ イサクの犠牲

400 x 500 cm, 1726-1728

↓ 荒野のハガル
↓ ヤコブの夢
↓ <父ラバンから偶像を隠すラケル>

400 x 500 cm, 1726-1728

この主題が、この部屋のメインになっている。 キリスト教徒でない私には、重要性が解らない。

この街には、もう一度来るような気がする。
まだまだ知らない魅力に出会いそうな、、
そんな、落ち着いた魅力がある。


12時過ぎには駅に着き、バールで簡単に昼食。

ヴェネツィアに戻り、ザッテレ地区のティエポロ探訪へ、、、

■ <2004年GWイタリア、パリ近郊都市21日間旅行 目次>
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