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≪ エローラ石窟寺院 仏教窟 ≫

Ellora 第1窟〜第12窟
Buddhist Cave Temple

インド旅行、彫刻を中心に(8)
2008/12/23〜2009/01/02












エローラ石窟群の内、第1窟〜第12窟が仏教窟である。

第1窟 〜第10窟が、7世紀の建造。
第11窟〜第12窟が、8世紀の建造。(ヒンドゥ教の影響)

アジャンタ石窟群の後期のものが、5世紀頃からだが
エローラの仏教窟は、仏教の衰退期・末期のものである。


仏教窟は、、
ヴィハーラ Vihara =僧侶の住居の僧院で仏像は祀られる。
チャイティヤ Chaitya =ストゥーパを祀る堂  に分けられ
第10窟だけがチャイティヤで、他はヴィハーラである。





入口から広い庭を進むと 第16窟ヒンドゥ教のカイラーサナータ寺院
右(南)に曲がり、、、仏教窟へ、、


第16窟カイラーサナータ寺院(ヒンドゥ教)


ヒンドゥ窟15、14,13の前を進み



12窟の仏教窟から最南端の第1窟まで



賑やかなインドの学生達、、低学年から高学年まで、
人数が多いので、彼等と同じ窟に入ると、ゆっくりと見学できない。




第15窟(ヒンドゥ教)




第14窟、第13窟(ヒンドゥ教)








第12窟 〜 第1窟 が仏教窟寺院である。


☆ 第12窟 ティーン・タル窟(仏教) ☆


ストゥーパの無い 僧侶の生活区ヴィハーラ窟である。




表面は無機的な 3階建ての構造。

前庭は塀で仕切られているが、、塔門 or 扉が付いていたのだろうか?





表面には全く装飾がない。




前庭の南壁は階段
内部もシンプルな柱

両脇の僧坊だけではなく
大広間で、僧侶達が、、修行と寝食を共にする、、木や布などで仕切りをしていたのか?


内部壁面に彫られた仏像達



内部なので 風化されていないのに 精巧緻密な彫とは思えない。



日本の仏教寺院に慣れている感性には、、、乳房の豊かさが目立つ

お釈迦さんは、一人しか存在しなかったのだが、
その教えは、、後世に、様々(勝手に)解釈されて、
変更・追加・無視され、
対立にまで至る全く違った数多の仏教がある。

日本の仏教的習慣で、この地の仏像を解釈する努力は、
単なる芸術愛好家、観光客には、掾遠い、、、





石に刻まれた生活の跡
柱の穴は紐通し、、床の刻みは、、遊びの為の穴や粉挽臼の代用、、彩色の跡




2階に上ると、、、






薄っすらと彩色の名残りが見られる。
仏教と言えども、人体像の造型は、
ヒンドゥ彫刻を作った同じ感性、、インド人の感性そのものなのだろう。

表情は、、瞑想の仏教 vs 基本に人間味溢れるヒンドゥ教 と大きく違う。









3階からのデカン高原の展望






装飾のない柱に支えらた大広間、、周壁には瞑想する仏像が溢れている。





























↓ 天を舞うのは、、男女の組み合わせだ。 ↓
ヒンドゥの彫像の感性がそのまま生きている。







ここの坐像は、全て女性、、、
仏像なのかアプサラなのか、、




姿勢を正し、、毅然と or 沈黙の、、、、
三屈の姿勢でなくとも、、胸の豊かさ故に
インドの彫刻の魅力を滲ませている。


↑  ↑
出家した僧侶のイメージは、男性像が強いのだが
日本では、女性である尼僧がいる。
インドではどうなのだろうか?
男性僧侶が瞑想する場所に、
これだけ女性を意識させる像が並んでいると、、
現世から離れる事は出来ない。
精進料理や粗末な食事を摂っていても、、、

中国、朝鮮経由で伝来の日本の仏教は、
   <信じてさえいれば 自他共に救われる>という呑気な他力本願 大乗仏教。
それに対し東南アジアは、上座部仏教で、
   <個人が厳しい修行を経て、悟りの境地に至り救われる>。

7〜8世紀のインドのこの地方の仏教が、単純にどちらかの定義に当てはまるはずはない。
ヒンドゥ教、ジャイナ教、自然崇拝、日常習慣、、様々に、互いに寛容に、混ざりあっている。

「 建前とは建前だけであり、
          当事者の現実は、建前に制限されない。 」
            何事においても、世の中を正しく見る為の心得である。

「建前」 そのものが、当事者でなく 部外者の都合の 「決め付け」 の場合が多い。


明らかな彩色の跡









☆ 第11窟 ドー・タル窟(仏教) ☆

ここも 12窟と同じ3階建て、、、無機的な外観も同じだが
岸壁の色が、、ピンクかっている。






☆ 第10窟 ヴィシュワカル窟(仏教) ☆

ここだけが ストゥーパを祀る堂のチャイティヤ



僧侶の住居ではなく、、チャイティヤなので 入口は華麗に装飾されている。








ヒンドゥ寺院と区別がつかない男女対の彫刻群、、





衝撃的なカジュラホのヒンドゥ寺院と同じである。
宗教が違えども、、感性は同じ、、人間性は寛容なのであろう。
宗教習慣は異にしても、、土台となっている人間性は同じ、、、












天空を舞う、、男女の組み合わせ、、、羽衣が印象的である。
暑い土地柄である、、、聖なるものも裸は当然の事。




ストゥーパがあるので、見学にもメリハリがつくのであろう、、学生の出入が多い。




↓ ストゥーパ ↓



石窟なので、天井の梁は不要なのだが、、装飾的に彫られている。
ストゥーパの前に大きな仏像が安置され、、メインはどちら?



ストゥーパの周囲には仏像が彫られている。



真っ暗なのであるが、、









2階に上ると、、、




















☆ 第6窟 〜 第9窟(仏教) ☆

これらは内部で繋がっている。






















☆ 第5窟 マハルワダ窟 (仏教) ☆
Maharwada


↓  (左端)5〜1窟(右端) ↓




第5窟の上からは、滝が流れ落ちている。




滝の落ちる第5窟

第5窟から第1窟の方向を見る。




第5窟内部は 巨大な講堂となっている。
奥行き 36m x 横幅 18m

真ん中に柱が無くとも天井は落ちない、、



奥から外を見る。   テーブルなのか椅子なのか??



最奥部の仏像、、、殆んど真っ暗なのである。



静寂の中、、、若人達、、、皆白い服装なので、、、自宅から遊びに来たのではない??




ヒンドゥ寺院に比較すると、、仏教寺院は地味である。
しかし、日本の仏教と違い、、南方系の仏教は、
厳しさだけでなく、、宗教的寛容さなのか、、、

と言うより、、日本の仏教は、観光寺院であっても、現実の宗教施設である。
インドで観光する遺跡の仏教寺院と比較するのは無意味であろう。

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     2010/11 エローラ石窟寺院29窟訪問記へ




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