Gruberova の La Traviata

グルベローバとニール・シコフのコンビのベニスのフェニーチェ座での演奏(LD)が話題にならないのだが!ぜひ紹介したい。

 指揮はCarlo Rizzi、演出は Pier Luigi Pizzi だ。
舞台装置・衣装には全く費用をかけていないから、貧弱に見えるかもしれない。でも、二人の出会いからヴィオレッタの心の動きが(恋心のめばえ)演技で表現されていく。 「愚かなこと!愚かなこと!」<花から花へ>と燃え上がって行く過程が見事だと思うのだが。<見てくだされ!二人の表情を>
話題のゲオルギュー(ショルティ指揮)など単なる棒立ちで、「椿姫はいまさら説明など不要」、と言わんばかりに、二人が別々に歌っている。見つめあい、探り合い、惹かれていく過程がまるで意識されていない。と思えるのだが。
カルロ・リッツィの指揮も良い。2幕2場フローラの夜会へのヴィオレッタの登場の際のオーケストラの表情、これから起こる不安を掻き立てる。ヴェルディのすばらしさを思い知らされる。

 これとは別に、闘牛士の踊りの場の盛り上げ方など、映画(レバイン指揮、テレサ・ストラータス)のフランコ・ゼッフィレリも舌を巻く。

 私の観たLDは以下のとおり。この範囲の経験で判断している、諸兄のお叱りを受けるかもしれない。
<Carlo Rizzi、グルベローバ><Levin、ストラータス><Solti,ゲオルギュー><Muti,ファブリチーニ、R.アラーニャ><Haitink,マクローリン>