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≪ クレオパトラ CLEOPATRA の絵画集 ≫


政略的な恋愛から毒蛇による自殺まで






クレオパトラにまつわる絵画はよく眼にするが、、、強烈にその魅力にひかれた事は少なかった。
その為に、クレオパトラの絵に対するイメージも散漫である。

知識を整理する事で、クレオパトラというテーマの存在意義を探る出発点になるやも知れない。

多くの歴史物語と同じく、クレオパトラの描かれるテーマは、、、歴史的事実ではなく、
空想的伝説に基づいているモノが多い。   この積み重ねが歴史的事実と誤解されて行く。


■ ■ ■ ■ ■ ■

★ 弟との王権争いを、クレオパトラは、老シーザー(カエサル)と、 身を呈して組して、勝利し、
エジプト女王の地位を確立する。

★ シーザー亡き後は、後任アントニウスを魅了して、地位を確保するが、、

★ ローマの新しい支配者オクタビアヌス(アウグストス)に、アントニウスと共に破れ、自殺する。

この3点の周辺が主なる主題として取り上げられている。





『 シーザーとクレオパトラ 』  1866 lost?
Jean Leon Gerome (1824-1904)

クレオパトラは、ジュウタンに巻かれて忍び込みシーザーの前に現れる。



1877 , Engraved by J. C. Armytage after J. L. Gerome


そして、、
さすがのシーザーも、クレオパトラに籠絡されて、、、、


『 クレオパトラをエジプト女王につけるシーザー 』
Pietro da Cortona (1596-1669) ,1643  Musee des Beaux-Arts (Lyon)




シーザー亡き後は、、後任のアントニウスに乗換えて、、



Giovanni Battista Tiepolo


← の部分拡大


『 アントニウスとクレオパトラの出会い 』
1744-1750 壁画
Palazzo Rabia , Venezia
650 x 300 cm


Giovanni Battista Tiepolo


← の部分拡大


『 クレオパトラの饗宴 』
1744-1750
Palazzo Rabia , Venezia
650 x 300 cm

アントニウスの前で
クレオパトラが、富を誇示する為に、
大きな真珠をワイン(酢)に漬けて溶かし
飲んで見せる場面。
(胸が開いている)

↓ ティエポロは同じ主題の絵を、ザクセン公フリードリヒ・アウグスト2世の為にも描いている。 ↓

Giovanni Battista Tiepolo


『 クレオパトラの饗宴 』
1743-1744
National Gallery of Victoria , Melbourne
248.2 x 357.8 cm

↑ の部分拡大

(胸が開いていない)



『 クレオパトラの饗宴 』
Francesco Trevisani  (1702)
Galleria Spada, Rome






「 クレオパトラの饗宴 」 というテーマは
絵の依頼者の屋敷を華やかに飾る為
祝祭的かつ豪華さが主役である。

クレオパトラやアントニウスは単なる登場人物に過ぎない。

この饗宴の話は、アントニウスが主催とするモノと、
クレオパトラが主催とするモノがある。
どちらが豪華な饗宴かを競い、、クレオパトラが(数億円)高価な真珠の一つをビネガーに溶かし飲み、、金のかかった饗宴だとし、クレオパトラが勝った、という話である。


好意の為の豪華な饗宴ではなく、敵対する饗宴なのである。


『 アントニウス と クレオパトラ 』 Sir Lawrence Alma-Tadema

1883, 65.4 x 92.1 cm  oil on panel Private collection




JEFFREY BARSON


『 アントニウス と クレオパトラ 』 

Louis Gauffier 1788
83.8 x 112.5 cm
Edimbourg, National Gallery of Scotland









Michelangelo( Vasari) c. 1550






Gustave Moreau
39.5 x 25 cm  Museo Louvre





(部分)プリンセプ、個人蔵


Galleria Nazionale d'Arte Moderna




John W. Waterhouse 1888
65.4 x 56.8 cm  Musee d'art et d'histoire, Geneva



Frederick Arthur Bridgman, 1896
75.9 x 117.2 cm New York, Dahesh Museum of Art







無花果の篭に隠した毒蛇 ( コブラ )

Delacroix , 1838



Michel Corneille 1650-60
Oil on canvas 141 x 182 cm , Portland Art Museum



毒の効果をを奴隷で試す、、、

Cleopatra Testing Poisons on Condemned Prisoners (1887)
Alexandre CABANEL
Koninklijk Museum voor Schone Kunsten, Antwerp








Charles Allen Winter 1898




いよいよ毒蛇に胸を噛ませる、、


この場面の描写が多いのだが、、

精神的には
最も表現すべき事が深いはずなのだが
裸体と毒蛇の組合わせの
奇想的イメージが目立つだけ、、




Guido Reni





Guido Reni 1639-1640
77 x 65 cm
Dublin, National Gallery of Ireland




Thomas Frances Dicksee, 1876
Original oil in a private collection




Regnault, c. 1790





Luca Giordano





Johann LISS 1622-24
Oil on canvas, 97,5 x 85,5 cm
Alte Pinakothek, Munich





Benedetto Gennari c. 1674-75,
oil on canvas, Paul Mellon Fund



1630-1640s
Stanzione, Massimo




Giam Pietrino (Ricci)




Pietro Ricci


エジプトという国の存続の為、
( 自らの保身の為も含め )
青春を、敵国の権力者に捧げ続けて、、

その人生の最後が、、
追い詰められて、自殺せねばならない。

この瞬間には、描くべき内容は深淵にしてある。
画家は、それらをどう描くべきか?!

興味ある題材である筈だ。








Giacomo Francia, c. 1600?






Jan Massys (ou Metsys) 1560-1570
109.5 × 196 cm
Galleria Antiquaria L'Intrigo , Milan




Giovanni Francesco Barbieri detto Il Guercino
Olio su tela, 173 x 237 cm



1611/12 circa
Collezione privata



Guido CAGNACCI  c. 1660
Oil on canvas, 120 x 158 cm Pinacoteca di Brera, Milan



Guido CAGNACCI 1658
Oil on canvas, 140 x 159.5 cm
Kunsthistorisches Museum, Vienna








Jean-Andre Rixens 1874
200 x 290 cm  Toulouse, Musee des Augustins

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足下で既に事切れているのが、侍女イラスで
侍女カルミオンが王冠を直している。
そしてコブラを隠していたイチジクの篭も描くのが定番。



Reginald Arthur  1892
Roy Miles Gallery, London



Pierre Mignard
99 × 133,6 cm Museo Rath




John Collier



Giuseppe Mazzuoli





Juan Luna.







Joadoor





「 クレオパトラの饗宴 」 のように、装飾的なものは、それなりに良いとしても
「 クレオパトラの死 」 をテーマにするモノは、、もう少し深みがある絵画があっても良いのではないか!

女性の艶かしい裸身が目的であれば、死というテーマは相応しくない。
1女性として、1国の運命を背負った女性の死と捉えたならば、、、物足りない。

このテーマを選ぶ事自体が、軽薄なのかも知れない。

古の女王をテーマにしたもので、、見る者のイメージをかき立てる絵画があるだろう。
Zenobia of Palmyra etc 、、、、


★ 今回のクレオパトラへの取組みは、期待した程の成果は無かったが、
気になっていた一つの思い付きを、片付けたので、、新しいものに挑戦できる。



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