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ウメバチソウ 自然造形の戯れ 

梅鉢草 Parnassia palustris、、、意外性の造形
小さな花だが、よくよく見ると意外な造形に遭遇する。

きらりの視線(18)写真集




『 Parnassia palustris 』

手の指が細長く伸びて、、その先端に球体がうごめいている、、
宇宙空間の異星の造形
あるいは、、、隔離された地下世界の、、、、、
ギアナ高地のテーブルマウンテンでの、、、

と、、感性を刺激してくれる造形である。












小さな花が群生している。

が拡大して見ると、、意外性に富んだ造形をしている。



↓ 中央が雌しべ ↓
周囲に頭の大きな雄しべが5本(花粉を着けている)。

細い繊毛のようなものの先端に黄色の球体を付けているのが仮雄しべ。
仮雄しべ=仮雄蕊(かりゆうずい)も根元は5本であり、
先端が細く分裂しているのである。
先端の黄色い玉は腺体、、、花粉は着けていない。






おしべ先端の花粉は既に無くなっている。
受粉は済んでいるのであろう。





これも花粉は既に無い。





↓ おしべは未だ初々しい、、、 ↓
仮おしべの先端の黄色い腺体は、、何の為に在る?
昆虫を視覚的におびき寄せる為らしい。
花蜜は無いらしいのだ。









おびき寄せられた蟻
花粉は無いが
蟻は、仮おしべの根元を狙っている。





おしべの花粉はあるのだが、、蟻は花粉とは離れた仮おしべの根元をかぎまくる。


単純に、、雄しべと雌しべ そして花蜜で虫をおびき寄せる、、という進化を何故取らなかったのか?

植物の受精は、、、昆虫類の介助が要る場合が多いが、、

動物は、、自ら行動する。


↓ ウメバチソウ自生地でのトンボの受精  -同日に撮影-  ↓ 

曲芸的な体位である。  どの部分がどの機能を果たしているのか、、、




↓ 直ぐ横では、、受精が終わって既に実を成している。 ↓




撮影は全て 2008-10-09, 12, 15
裏山の日当りのよい湿地一箇所で。





花びらは5枚
おしべは5本
仮おしべも5群
上から見たこの形で、、梅鉢草 と呼ばれているのだが、、





横から見たこの形は、、独特であり
単に梅の花に似ているとは、、言えるものではない。
もっと個性的な呼び名を付けなければ、、その存在を誤解されない。




花粉は待機中、、雌しべは固く閉ざしている。
もう直ぐに、、雌しべの頭は4分裂する。




おしべが成熟すると、、外側に開いていく、、仮おしべよりも外側になる。
雌しべからは離れるのである。





おしべの成熟度が全く揃っていない。




何故に、、この形が必要なのであろうか、、個性的である。









日当りのよい湿った草地に生える多年草













4分裂する雌しべの先端




先端の黄色くなったのは、、受精(受粉)して活性化しているのだろう。 おめでとう!




おお、、、ナンと美しい均整美であろうか!!




同じ場所に、、リンドウも咲いている。
こちらは蕾が多かった。












ウメバチソウの全姿態




一株から数本の茎を出し、、ハートの葉を1枚巻きつける。
このシンプルさは、、純潔さをイメージさせる。





ハートの葉から、、スキーッと伸びた先に個性的な花一輪
清楚、、潔癖、、、しかも個性的
その在り様にふさわしい名前を考えてみよう!!





蕾の段階




一見、、開花直前と思ったのだが、、、
受精後の、、花びらが散った後であろう。




受精が完了しているのに、、
仮おしべは確りと存在しているのは、、
まだその役目が残っているという事なのだろう。






山裾の欝蒼とした林の中では、、、
アケビがニギニギしくぶら下がる。





拡大して見る自然の造形は複雑であり、、興味深い。












ありふれた山野草、、、それぞれが子孫繁栄に華麗に挑戦している。
生きる目的は、、子孫繁栄が究極なのである。


何事も、派生的なものに惑わされないように
自然に学ぼう。




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