≪祖父沢、黒部源流、五郎沢≫ 登山報告

写真豊富な、のぶなが山行記
感動の共有、のぶながTOPページへ■ コース=折立 → 太郎平小屋 → 薬師沢小屋 → 雲ノ平山荘 →
  → 祖父沢・五郎沢 → 黒部五郎岳→折立

01年 8月13日〜16日  天候=晴れ、14日、15日は午後夕立

■ 所要時間=1日目、折立発 7:30 → 薬師沢小屋3:45分             計 7時間36分
          2日目、薬師沢小屋 5:53 → 雲ノ平山荘9:37             計 3時間42分
                                       雲の平山行記へ

■ 3日目雲ノ平山荘発5:00 → テント場発5:45 → 祖父沢 → 黒部本流合流10:15 →
      → 五郎沢合流10:39着、10:52出 → 五郎沢二俣分岐11:56 →
      → お花畑エスケープ1:13 → 黒部五郎小屋1:40

      祖父沢下り計=4時間30分、本流=24分、五郎沢登り計=2時間48分
                              テント場まで40分をいれて、3日目合計=8時間22分

■ 4日は、黒部五郎岳をカールから登り、赤木岳・北ノ俣岳〜太郎平〜折立  山行記へ

≪標高差 1484m≫黒部五郎岳〜折立 
テント場〜黒部源流の標高差=480m黒部源流〜黒部五郎小屋の標高差=260m

主な標高≪黒部五郎岳2839.6m≫≪スイス庭園2592m≫


■ 前日初めての沢である。
   <黒部源流の渡渉>と言う響きに魅せられて、決行してしまったが、
   正確な所要時間がわからず、とりあえず1日見ておれば良いだろうと、少し余裕のつもり。

   万が一の為、新たにツェルトも購入。 ロングスパッツ、渡渉用ズック、ストック2本と
   いつもより重い荷物となってしまった。


テント場からの祖父沢の下り
トイレの50m祖父岳寄りにある

テント場から見た早朝の黒部五郎岳。 カールの下部が一部だけ見える。
テント場の水は美味である。 充分に水を補給し、
持参したりんごを、朝食代わりにかじって、
久しぶりのスパッツを着け、2本のストックを調節し、いざ、出発。
沢の上部に岩に書かれた
 じい沢の文字 ↓ これが目印
↑最初は、幅1mにも満たない小川である。

30分程下り、
川幅が2m、3mとなるに連れて、岩が多くなり、返って歩き易い。 →

50分程下ると、 →→
1本だけ目立った木が見える。
沢は、1m程低くなっている。
← 下り初めて1時間程
樹林も低く、黒部五郎岳全部に朝日が当たる。

岩伝いに快適に下り、
人の気配は全く無く、

水、緑、花、山、空、岩 と心地良く
これなら皆に薦められると
ルンルン気分で下り


これなら相当早く着きそうだと、、
下りだして3時間目

樹林も高く、沢幅も広く、
当然、水も勢いを増していく。

視界が狭まり、、
黒部五郎岳も、全体は見えない。

岩も大きく、荒くなり、
容易に次の足場が見つからなくなる。
沢幅も大きくなり、

時には、2つに別れたり

水量はドンドン増えてくる。



ペンキ印などのコースの案内、
沢の支流の名称など一切見当たらない。
やはり一般コースとは違うのだ。
適度に神経を使い、快適な前半の下りを過ぎ、

後半になると、全てが荒くなり、下りに苦労の連続。  写真を撮る事も忘れて下りのルート探し。

高低差がクリアできずに、木の枝数本をまとめてぶら下がり、、、、、などなど
ダブルストックで、バランスをとる、と言うより、2本の足の如く、全重心をかけたりと

自己のノウハウを最大限に発揮、工夫しながらの、初めての沢。

全く濡れていない岩が滑ったり、大股に開いた状態で、動きが取れず、2本のストックで3本目の足にして、、、、
神経が疲れます。

8時間の一歩一歩全てが、足の置き場、スリップの確認、数歩先までのステップ手順とそれにあわせた、ストックの突き場所探し と、、、、
後半は神経が粗雑になってしまった。

しかし、一瞬の気の緩みで、スリップ、胸を強く打つ、ウーッ痛い、あわや!!!


経験者のアドバイスで、渡渉用の靴を持って行ったのですが、全て登山靴と、ロングスパッツでクリアできました。

 *** 苦労したここの部分の写真が無い、、、、残念無念 ***

やっとの思いでクリアして下りきった、もう直ぐ本流との合流点のはず。
黒部五郎岳も、北稜の先端しか見えない。
この間、誰1人とも出会わなかった。 人工的な工作物も皆無。  たった一人で自然と遊ぶ。

祖父沢と黒部本流との合流点

本流よりも祖父沢の方が水量が多い。
合流点の直前にも支流が注いでいるので、合流点の確定に迷った。
標識類は一切見当たらなかった。

祖父沢、本流合流後の黒部本流。
さすがに水量は多い。容易に渡渉点が見つからない。
ここで登って来る3人組と会う。
これが本流である事を確認する。

5分程下流で飛び石伝いに渡渉に成功する

祖母沢の本流合流点。 小さな沢だ。

 

五郎沢は、豪快だ。 大岩が多く滝のよう。
段差も高く、ルート探しには苦労した。
やはり、写真を撮る事も忘れてしまった

五郎沢の中間点、左・右俣の合流点だ。
左が登り可能な左俣である。

黒部五郎岳も頭だけ
雲行きが怪しい
急がねば!!

お花畑の中らしい。  黒部五郎のカールがかろうじて見える。

しかし、ハイ松掻き分け掻き分け、今まで濡れなかったズボンが、沢から出てからぐっしょり!
明らかに踏み跡、上に向かえば、必ず道に出るはず。
、、、、、、、ハイ松が、完全に嫌いになってしまった。

雨の中から、突然、写真で見たことのある髭面が、黒部五郎小屋のオヤジさん。
「○○さんか?」 「いや違う」
「誰かあわなかったか?」 「全く」

誰かが沢に行って帰らないらしい。
最上流部で勾配が緩やかになった所で、ついに雨が、
ヤバイ!と  鉄砲水の危険性!

笹を出きるだけ掴んで、土手をよじ登る。 
良かった、踏み跡らしい。

ザックカバーを被せ、傘をさして踏み跡をたどる。

小屋に着いて直ぐに、晴れてくる。

しかし3時頃にまたもや
雷を伴う物凄い豪雨。
あな、恐ろしいや、恐ろしいや!
**** 本流で3人の登る人と出合ったきりで、祖父沢、五郎沢では、全く独り
夏休みの最盛期なのに、これでは、やはり 「 単独は危険 」 な所

黒部源流の最源流を踏破したのは事実。 でも冒険も程ほどにしなくては。

■ 4日は、黒部五郎岳をカールから登り、赤木岳・北ノ俣岳〜太郎平〜折立  山行記へ

■ ≪私の山登り観≫
高い山に登れば地球が見えてくる 何億年の地球の営みが見えてくる、そこに居る小さな人間が見えてくる。 ホンの一瞬に生きる小さな人間、さあ!どう生きようか? 単独登山はスポーツではない、人生哲学的行動である。

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