☆ 行って見るべき世界の美術館 ☆
       (初稿は 2000年です。 : 閲覧時である現在なら、違う表現となりそうですが、記念の為残しておきます。)

 ルーブル、オルセー、メトロポリタン、ウフィツイ、プラド、エルミタージュ 等は、誰でも行ってしまうだろう。観光コースに入っているから。 でも、それだけではもったいないのだ。ブランドショップに行く時間を割愛すべきなのだ。

 フィレンツェの場合、先にピッツィ宮殿に行くべきだ。開館時間が短い。ウフィツイは遅くまで開いている。ラファエロのマドンナがある。展示品だけでない、天井をはじめ内装が凄いのだ。天井・壁が額縁なのだ。

 アムステルダムの場合、国立博物館より、ゴッホ美術館が先だ。ゴッホほど実物でないとその良さが解らない画家はいない、COPYでは全くダメなのだ。(COPYの方が感動する画家は結構多い、悪いという意味ではない) <ミケランジェロの最後の審判>など、何度見ても頭に入らない、対象への距離がありすぎるのだ、大きすぎて。素晴らしい細部が見えないのだ、多すぎて。COPY(画集・ポスター)で素晴らしい細部をじっくり堪能し記憶し、それから現物の全体を見ないと見たとは思えない。 壁画をいくらじっくり見ても、観察しても、<天井画の天地創造>を見上げると、もうだめだ、天井画の細部で頭が満杯、<最後の審判>のメモリーは消去されている。 ゴッホは現物のみだ、ゴッホ美術館で買った現物大のポスターも自宅では何の感動も与えてくれぬ。 アムステルダムでは、ライツェ広場で食事すべきだ。昼・夜3回食事をしたが、満足だ。接した市民はほとんど穏やかだ。

 ウィーンの場合、美術史美術館。 まず建物が良い。ブリューゲルが充実している。ラファエロもある。監視人は怖い、受け付けも怖い。ウィーン市民自体が少し陰険だ。キオスクの店員、スーパーマーケットの店員、国立歌劇場の案内人、などなど印象は悪い、歴史的・地理的・民族的な理由であろう。イタリアのフレンドリーさ、ドイツの大人の(礼儀としての)親切さが好ましい。(この稿、脱線中)

 ローマの場合、ボルゲーゼ美術館。 G.L.Bernini プルートとプロセルピナ、アポロとダフネ。プロセルピナの肌に食い込むプルートの指をご覧あれ、石とは思えない柔らかさだ。 カノーバー他、厳選された名品のみだ。 元個人の美術館のせい、収集家のセンスが(財力?)良い。

 ロマンチック街道の場合、ヴェルツブルグのレジデンス。 ツアーのカタログなど見ていると、ヴェルツブルグを省いているのが多い。時間がかかるからだろう。何てことをするのだ。無教養な川下りより、ロマンチック街道の出発点、ヴェルツブルグを加えるべきなのだ。ティエポロの大天井画、皇帝の間、華麗なホーフ教会、知らないと損だ。 フランクフルト始点のロマンチックバスは予約不要。ローテンベルクまで10人足らず、ローテンベルクでも5割に満たない乗車だ(5月初旬)。 私はヴェルツブルグで一泊、夜、市立劇場でオペラも観た。http://www.wuerzburg.de

 ニューヨークの場合、メトロポリタン美術館の後に、フリックコレクションはどうだろう。ルノアール、ブーシェなど見慣れた作品がある。但しあまり多くない。

 ミュンヘンの場合、ビアホールでソーセージが目的の町ではない。(ほとんどの日本人がそれだけだ) ここは芸術の町なのだ。 毎夜オペラ・シンフォニー・室内楽・バロックと音楽が溢れている。 美術館のメインは、アルテ・ピナコテークとノイエ・ピナコテークだ。向かい合っているから1つと見て良い。 アルテには、ルーベンス、ラファエロ、ティエポロ、デューラーと充実している、ダ・ヴィンチもある。ノイエには、別項のとおり カウルバハの大作がある。 http://www.staatstheater.bayern.de

 スペインの場合、なんといってもプラド美術館だ。 ルーブルに次いで凄いのだ。バルセロナのポスター屋が豊富な在庫を持っているのをご存知だろうか。学生の頃から憧れていた<ブーシェの水浴するディアナ>の実物より大きなポスターを買ったのはここだ。実物はルーブル、ポスターはミラノ印刷、売っているのはバルセロナ。今度バルセロナに行くとしたら、ポスター屋とリセウ劇場が目的だ、ガウディではない。

 日本での海外美術展。 <主に京都での開催展> だまされてはいけない。感心してはいけない。ほとんど詐欺に近い。
@ ルーブルでは、写真撮影OK、フラッシュOKなのをご存知だろうか? フラッシュOKは、私の知る限りルーブルだけ。 他はほとんどフラッシュなしで写真撮影OKだ。だめな所は、アムステルダムのゴッホ美術館くらいしか記憶がない。 しかもすべて美術館は明るい。 にもかかわらず、日本で開催されると、間違いなく暗闇の中で展示、写真ダメ。 本家でOKなのに、借りてくると全く条件を悪くする。本家で<作品に悪影響がない>なら日本でもないはずだ。 健全な鑑賞の邪魔をしている。 明るい健全な雰囲気で鑑賞する事が正確な鑑賞の基本だと思う。
A 詐欺に近いのは、作品の内容だ。 本家で無くなっても誰も気がつかない作品ばかり持ってきて、○○美術館展と称する。 そのような美術館展に行くのは良いことだが、感心しては良くないのだ。 不満を持ち、本家に行かなければ!と思わなければならない。 「まともな作品を持ってこなければ流行らない」と主催者に思い知らさなければならない。 美術展のサブタイトルが目立つ場合、<○×を中心に>、<○×の周辺><○×をテーマに>とあるのは、たいていガラクタ作品群をまとめる為の主催者の言い訳なのだ。 行こう!明るい欧米の美術館へ
    2009-06-24 追記 : この稿は、、「フラッシュ撮影が良いという趣旨では当然の事ながら ありません。」
      西洋の美術館の展示環境は、明るくて健全であり、、
      許可されている場所ではフラッシュなんて全く不要、むしろ有害なのは、デジカメ体験者なら常識のはずです。
      簡単に格安で行ける時代です。 欧米の美術館へ行こう! そして鑑賞しよう! というのが趣旨です。
      また、、ピッツィ宮殿等、以前は撮影可だったのが不可になっていたりと、、規則は永久不変ではありません。
      そのあたりは、健全な大人の良識で判断してください。
      インターネットの情報は、、特に個人のHPは、個人のその時の感想です。
      閲覧者は自身の感性で取捨選択をして参考にするのが、お互いHappyです。