≪塩見岳≫登山報告

写真豊富な、のぶなが山行記
98年 8月12日〜14日  天候=12日晴、13日朝晴、昼ガス、夕雨、14日雨、下界晴
感動の共有、のぶながTOPページへ コース=塩川小屋 → 水無川尾根 → 豊口山分岐 → 三伏峠小屋 → 本谷山 →
     → 権右衛門山 → 塩見小屋 泊 → 天狗岩 → 塩見岳西峰、東峰→
     → 三伏峠 → 豊口山分岐 → 塩川小屋

所要時間=1日目、JR伊那大島12:10発のバスで塩川13:34着、塩川小屋で素泊まり
       2日目、塩川小屋 発 4:00 → 水無川尾根5:05 → 豊口山分岐8:40 → 三伏峠9:15
          → 本谷山11:00 → 塩見小屋1:42

       3日目、塩見小屋5:22 → 塩見岳西峰、東峰6:20 → 塩見小屋7:18 → 三伏峠10:05
            → 水無川尾根12:09 → 塩川小屋12:45

       登り計 5時間15分、 縦走6時間50分、 下山計2時間40分、2日分合計 14時間45分

≪標高差 1747m≫ 標高差はやはりある。 奥穂高の標高差=2073m、悪沢岳=2041mである。
主な標高≪塩見岳3046.9m≫≪本谷山2658m≫


前日、大阪7:00発新幹線、豊橋発9:05の伊那路1号で伊那大島まで。
伊那大島12:10のバスに乗らなければならない。 シーズンでも日に2本しかない。
JR伊那大島駅前は、登山者用の屋根付きベンチがあるが周囲に店はない。

塩川からの登山だと三伏峠まで5時間以上かかるのだが、鳥倉林道からだと3時間以内なので、鳥倉林道から登るべきなのだが、こちらはバスの便がない。 JR伊那大島駅で相乗りタクシーを予定していたのだが、登山客9人しかおらず皆バスに乗っていたので、誘えなかった。 塩見小屋で同宿した人達は、MayCarで鳥倉林道までの人が多かった。
9人の乗客にバス2台が塩川まで走る。 後発車は乗客0だ。 帰りに乗ったバスも乗客15人で、後発車は乗客0だ。 夏休みなのに、塩川小屋、三伏峠小屋共に予想外の登山客の少なさに、明らかに不安の表情。 塩見小屋だけが超満員。

朝4:00出発だから、深い谷なのでヘッドライトを灯けての歩きだ。 塩川小屋から尾根取付点までは、川沿いの登りが1時間。遠方の真中に覗いているのが本谷山。

気持ちの良い軽い登りなので、朝一番のウォーミングアップのつもりで、楽しみながら歩けた。

珍しいギンリュウソウ。 今年は、白山、奥穂の白出沢と3回連続で見つけた。 こうなると珍しくはない。 7月末から8月中旬までが時期なのか? 一度見つけると、見込みが立つから注意しながら歩けば珍しくないのかも知れない。 単独登山の楽しみだ。 同伴者に使う神経を自然に向けられる。

ここにもあった。 右中ほどの白いのが銀竜草。 羊歯が茂る下辺りに出るようだ。

この後、標高差1300mの急登を3時間かけて黙々と登る。 樹林帯の急登はどこも同じだが、ここは特に樹林が深いので、足場も悪い。 太い根っこがジャマをする。

三伏峠を過ぎて、本谷山の登りから三伏峠小屋を見返る。嫌な雲

荒川岳方面へ行く尾根道。 山頂は全て雲で覆われている。
三伏峠に着いても賑やかさがない。 三伏峠小屋の主人、浮かない顔、「少ないね」と声を掛けると、「こんなはずでは!」というテレ笑い。 下の塩川小屋は泊り客6人だけ。そのうち2人が素泊まり3500円。 4人の従業員が駐車場や下山道ばかり見ている。 哀れであったが、「貧すれば鈍す」なのか、接客も心無く、不愉快な小屋であった。 いずれ廃屋になるやもしれぬ雰囲気であった。

本谷山山頂からの塩見岳。
ああ雲で見えない。
この高さで樹林帯とは不愉快だ。
樹林帯の縦走なんて不愉快だ!

樹林帯の権右衛門山のトラバースからの塩見山。 この後、最後の急登があり、ああ雨が降り出した。 このトラバースは予想外にてこずる。

大分きつい急登の後、塩見小屋、背後は天狗岩で、その後ろに塩見岳西峰があるはずなのだ。 見えないジャン!

塩見小屋、左が管理棟。 この後大雨で朝まで続いたので、夕食の自炊は大事であった。
塩見小屋だけ超満員だ。 北岳方面からの人、荒川岳からの人、塩川からと大賑わい。 おまけに小さすぎる小屋。
予約なしだと御立腹! 受付けの1人1人にオシメ風のトイレ用品を渡し、トイレの仕方を教える、使わなければ返品すべし、追加は有料。 うんち入りオシメをヘリコプターで下ろすのだそうだ。 出そうにない。

三角形の小屋に6畳に15人。 隣に寝たのが看護婦さんのグループ。 楽しかった。
6畳に同宿の15人。 穂高辺りの小屋だと話が弾む状況なのだが、俺が、俺がと主導権争いの如き展開である。 自分の世界にのみ入り込んだマニアックな人達。 私は看護婦さんグループとねんごろに談笑! それを周りが白けた無言。 やはり塩見岳は一歩抜けた人達の来る山なのか?
自慢する人、聞く人の組合わせでないと場は白ける。
翌朝は、霧雨だ。 蝙蝠岳までの予定は中止せざるをえない。 塩見岳の山頂だけは行ってみよう。 リュックは置いて山頂へ!
標高差281mで山頂へ。 この差は大きかった。 岩の間に高山のお花たち、期待した光景ではないか! 塩見岳山頂の周りだけが魅力的なのだ。 塩見小屋以下は全くダメ。登山の魅力なし。

塩見岳山頂への登り。山らしい。

東峰とのコルから見た西峰。 この距離でも雨で霞んでいる。 当然、他の山は見えない。
北岳から、悪沢岳から見えた、これが兜の形をしたあこがれの山頂なのだ。
 

西峰の標識

東峰の標識

西峰とのコルから見た東峰。 荒川岳、悪沢岳、蝙蝠岳、北岳と期待した360度の大パノラマは何もない。
ああああ〜だ。
雨きらい、努力が報われない
でも、360度の光景は全て想像がつく。

西峰の下りから見た、a)天狗岩、b)塩見小屋、c)権右衛門山

ミヤマシオガマ などなど
やっと高山らしい風景

お花の種類は多い。  山の縦走はこれでなけりゃなんねぇの!
蝙蝠岳が制覇できなかった事が残念である。 ここだけもう一度というのはいつになることやら。

≪私の山登り観≫
高い山に登れば地球が見えてくる 何億年の地球の営みが見えてくる、そこに居る小さな人間が見えてくる。 ホンの一瞬に生きる小さな人間、さあ!どう生きようか? 単独登山はスポーツではない、人生哲学的行動である。

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