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≪ アジャンター石窟寺院 仏教 ≫

Ajanta ワーゴラー川断崖の30の石窟寺院
素晴しい壁画と彫刻群

インド旅行、彫刻を中心に (11)
2008/12/23〜2009/01/02







開窟は2期に分かれる。
前期=紀元前2世紀頃からの上座部仏教期の前期窟
後期=紀元5世紀頃からの大乗仏教期の後期窟


前期窟は、仏像概念が無かった時代でストゥーパを礼拝対象とする。
  8,9,10,12,13窟の5窟のみ
後期窟は、インド文明の黄金期で、王侯貴族や商人の寄進が寄与する。
  7世紀頃に放棄されるまで続き、、壁画は全て後期のもの。

チャイティヤ窟(塔院)は5窟あり、他は、僧侶の住居となるヴィハーラ窟。







アジャンターは、アウランガーバードから、100km以上北東に位置する。


↓ アウランガーバードからワゴン車で、インド人ガイドと運転手、日本人5人が、2時間以上のドライブ ↓


道路は全面舗装され、2車線(片道1車線)。 日本の援助が貢献しているそうである。

( カジュラホ〜ジャンシーは、道路の真ん中1車線分だけが舗装され
対向車が、、同じ車線を走行、、、正面衝突寸前に
気の弱い運転手の方が、、左の凸凹道に避ける、
という、、恐ろしい状況だったのに比べると
ここの道路状況は、、安心して乗っておれる。 )



時折、村、バス停があるが、、殆んどが畑、、畑、、
綿畑、、インド綿である。

↓ 綿を満載したトラック群 ↓




ひまわり畑も多い。





トイレ休憩、、、小屋で、、ペットボトル、チャイ、、、




大地の真ん中に ポツンと トイレ




砦跡のある村 Shillod ?









デカン高原にも高低差がある。
下に見えるのが、、アジャンターの入口
左手の山が、、石窟寺院のある方向である。




↓ 拡大画像 ↓


左のテントの青が見えるのが、、石窟寺院行きのシャトルバスに乗り換える駐車場。
右の大きな建物は、、、観光センターか?何かだと思うが、、強烈な違和感だ、




保存の難しい壁画を中心とする遺跡保存の為に、
環境配慮のエコ・バスに乗り換え、ワーゴラー渓谷に向う。
所要時間10分程度。

駐車場からシャトルバス停まで、土産物屋が並ぶ
シャトルバス停、、バスは多い。


観光客は、、エローラに比べ、、圧倒的に多い。
しかし、、外国人観光客は少なく、、殆んどがインド人観光客。
日本人に遭遇したのは、、カナダ在住の日本人女性1人だけ、、



シャトルバスの順番を待つ女性達、、、学生だろう、、







常に視線は目標を持っている。








満員のシャトルバスで、湾曲したワーグラー渓谷を10分

レストランのある石窟寺院への入口に着く。

↓ 石窟寺院入口への登り。 ↓

男坂と女坂があるが、、階段の男坂も軽いものである。




チケットオフィス内の光景








インド人観光客で溢れかえっている。
高学年〜低学年の学生が多いのだが、、
家族連れ、アベック、友人達、、と多彩でもある。








彼女達、、常に何かに反応している。

眼差しは、、常に何かに向けられているのに気が付いた。





カメラを持つ こちらの視線には敏感に反応する。
リュックを背中に観光するのも、、サリーである。





制服姿の若人達、、、珍しく男女共学である。







若い人達の この勢いは、、、何処でも共通していた。
インドの活力が、、どうのこうのと言う程ではないが、
インドについて考える時、
学生達のこの勢いを考慮に入れざるを得ない、と思う。






制服は違えども、、反応は同じ。




集団の若人と違い、、、
↓ チョッと大人びた女性は、、、 ↓









完全な大人の女性、、、










観光よりも、、インド人の印象にばかり 興味を持たされる程に
圧倒的なインド人の存在感である。

ヒンドゥ、イスラム、キリスト、スィク、仏教、ジャイナ、、と
多彩な宗教に属し、、、カースト制、、民族、、と多彩な構成を、
当然ながら、よく理解してはいないけれど、、
インド人という一律の印象は強烈に伝わってくる。







■■ 第1窟 ■■



どの窟も並ばねばならぬ。

履物は、、脱ぎっぱなしでもトラブルは無かった。



一部弱い照明があるが、、内部は暗い、、、




王宮で潅水を受けるマハージャナカ王 AC.462-500

左は、現状のままの撮影、、ISO感度1250、シャッター速度1/6で、PCソフトで調整
右は、懐中電灯でガイドが照らした時の撮影。

いずれにしろ、鑑賞に堪え、感激するようなレベルの撮影はできない。


↓ 場面全体を撮影すると、、情景は判るだけで、、物足りない。 ↓
丁寧に描かれたのは判るが、、想像力で相当色づけしなければ感銘はない。




超有名な壁画 (法隆寺金堂菩薩像のルーツだそうだ)
第一級の描写である事は間違いないが、、

(私の撮影) ↑ 蓮華手菩薩 ↓ (ガイドブックより)

(私の撮影) ↑ 金剛手菩薩 ↓ (ガイドブックより)
ブッダを祀る本堂



柱にも繊細な彫刻で装飾されている。 →
柱頭部にもそれぞれ彫刻がされている。

天井の絵と模様


第一窟を堪能しようとするならば、、事前に全ての絵と物語を熟知してから
それらを、現場で確認しながら、、読み取る。 という手順でなければ、、
旅行ガイドブックだけの予備知識だけでは、、写真を撮るだけの見学だ。
ガイドの説明も、、一部だけなので、、耳を通過するだけだ。




■■ 第2窟 ■■


入口前の天井




本堂



千体仏




釈迦の誕生の場面、、中央が我が子を見るマーヤー王妃
左に、釈迦を抱くブラフマー神とインドラ神




ブランコする、、



3,4,5窟と未完成窟が続く、、







■■ 第6窟 ■■


手前が、唯一の2階建て石窟の第6窟、、その向うが第7窟
アーチ型入口が、8、9窟




■■ 第7窟 ■■






千体仏




釈迦五尊像




■■ 第8窟 ■■
8窟は極小、、発電室として利用中






■■ 第9窟 ■■


前期窟なので、中にはストゥーパ。
ファサードが特徴的
外に仏像が彫られているのは、後期に付けられたものか?

10窟との間にも、、仏像群が彫られている。



■■ 第10窟 ■■

前期窟で、、9窟より大きい。

1819年にイギリス騎兵隊の再発見された時の落書きがある。





ストゥーパは修復中

両袖の柱や壁には、鮮やかな色彩で仏像画が描かれている。
ガラスケースで保護されているものも




10窟横に仏像群の番号に数えられない窟が、、、




↓ 第10窟前から、これから向う奥を見る。  まだまだあるのである。 ↓





■■ 第12窟 ■■
前期窟



第16窟への階段、 エレファント・ゲート




階段途中の仏像のある窟で休む西洋人








■■ 第16窟 ■■







第16窟の中は簡素である。



5世紀後半
ヴァーカータカ帝国の宰相ヴァラーハデーヴァの寄進
碑文が残り、、造営年代の大きな手掛かりとなる窟。

ナンダの出家物語 →
↓ 計測中 ↓

僧室は14室ある。



釈迦像


↓ 柱や天井の彫刻は →
↓ ヒンドゥ寺院で見かけたのと同じようなもの →









■■ 第17窟 ■■

地元の藩主が開いたヴィハーラ窟で、、壁画が鮮やかで魅力的




天井は波打つように削られている。 ↓


↑ 鏡を見る女性の首飾りの白色が真珠のように輝く、、と懐中電灯で照らす。



↓ ブッダの前世の物語(ジャータカ物語)がテーマで、豪華な宮廷生活も描かれている。 ↓




鮮やかに写る白色が印象的




細い目に日焼けの肌色、、身に付けた装飾品、、 ↑の絵と共に画家の力量は相当なものだ。




王宮の豪華な生活




魅力的なポーズ、、、




狂象でブッダを殺そうと企んだが、、という酔象調伏の物語も




18窟は小さい。


■■ 第19窟 ■■

後期の、祈りの為の チャイティヤ窟




このファサードの彫刻の多彩さは、アジャンタでは目立つ。
しかし、これらの彫刻は、後世に追加されたもの。







ストゥーパがあるので チャイティヤ窟なのだが
ストゥーパ自体が華麗である。
天井にまで達する装飾的な頭部である。

周辺の壁、列柱の華麗さも、、仏教寺院としては目立つ。

本来ストゥーパに祈るのであるが
仏像が前面に一体となっているので
仏像を拝む事になる。





側廊の壁には壁画




柱の上部、持送り、の仏像、模様、こまめに装飾されている。



これもミトゥナ像というのであろうか、、宗教に関わらず 汎インド的な豊穣の寓意だ。









第20窟は未完成



第20窟を過ぎると、、数拾mは何もない。




21,22,23窟は未完成窟




■■ 第24窟 ■■





24窟も未完成なのだが、、、開窟の工程が判る。










■■ 第26窟 ■■

豪華なチャイティヤ窟





19窟にも増して豪華である。







25,26,27窟との複合窟になる予定だったが未完に終わっている。




← ストゥーパは仏像と一体化している。
礼拝の対象は仏像になっている。

↓ ストゥーパ周囲の仏像彫刻 ↓





インドで最大の涅槃像








細やかに彫刻された柱、梁、、




側廊には、、仏像群




幻想的な雰囲気である。




菩提樹の下で瞑想するシッダルタの邪魔をする悪魔達
馬頭、、象、、、




この美しい女性達は、、敵か、味方か、、、



最後に、、迫力のあるチャイティヤ窟で締めくくりである。

26窟の奥は通行止めとなっている。



シャトルバスを降りてから、、此処まで 2時間強、、
あまりにも多くのものを見てしまった、、、、
デジカメの時代でなければ、、どれだけ記憶に残っただろうか!


来た道をゆっくりと帰る。



壁画を見る為に、、写真を撮る為に、、広域を照らす懐中電灯を持参する必要がある。
通常の狭い範囲だけを照らす懐中電灯では、、一部が光り周囲は真っ暗となり、
照らさない方が写真には良い。   灯が拡散して低光量でも、全体が均一の方が良い。


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