感動の共有、のぶながTOPページへTOPへ
写真豊富な のぶながワールド

≪ 大芬油画村で 油絵を買う (深セン近郊) ≫


永年の希望を実現


広州起点に中国一人旅、鉄道移動に挑戦 (1)
2012/04/03 〜 2012/04/10





テレビ放映で、 『 世界の有名絵画の複製画の大半は深セン近郊の大芬村で描かれている。 』 との情報を得たのは昔々。
大芬村が、深セン近郊のどの辺りかなんて調べようもなかった年月が経過して、、
2008年になって、GOOGLEのMapも充実してきて、大芬村の位置が確認でき、、「 大芬村 」で検索することも可能に、、、
(最初の頃は、「 芬 」 という文字で検索できなかったのだ )

「 大芬村 」 で検索しても、日本語のサイトは全く無かったが、、中国のサイトが検索されて、、、深セン〜大芬村 のバス路線も把握。
これで、旅行は可能となったのだが、、、大芬村探訪だけではもったいない、、、しかし それ以外には興味は無い。
と、、旅行の実現には至らなかったのだが、、、

今回は、、広州経由で、深セン+大芬村 を訪れれば、、大都市 広州 と 開平、肇慶etc の観光も可能となり、、旅行として充実する。
と、、、実現にあいなった次第である。

今回は、広州から2度訪問した。
広州から深センは、新幹線の広深線で、1時間19分で快適。  一等が 100元、2等が 80元。
切符購入は、自動販売機もあるが、、外国人はパスポートの提示が必要なので、窓口にならび購入、、
広州東駅では、朝、昼 ともに 約10分後に出発の列車の一等乗車券を購入する事ができた。
少し安い2等なら 混み合うので、1本遅い列車になっていた。  列の前の人の納入列車がディスプレイに表示されるので、
2等でも直後の列車なら 2等でもOK。 2等が遅い列車でも、1等なら直近の列車になる可能性は高い。
最初の帰路は、、深センで夕方発で2等を指定したものだから、、50分程遅い列車になってしまった。


深センから大芬村へは、、、地下鉄が開通しているので、、超楽チンである。







↑↓   今回購入した5枚の油絵の内の2枚  ↓↑






広深線は、羅湖駅で発着する。
羅湖駅から地下鉄1号線で老街まで、3号線に乗り換えて大芬村下車。



↓ GPS軌跡とGoogleEarth合体図 ↓


地下鉄3号線は、途中から地上に出て高架走行となる。


大芬村は、、、大芬油画村、、、、村 なのであるが
その実態は、、ビッシリと高層ビルで過密な住宅街であり
中国の村のイメージは微塵も無い。


紫色が最初の訪問のGPS軌跡
萌黄色が2度目の訪問時の軌跡


↑ 大芬油画村の北西端の斜め白い屋根は、、整理された画商街 ↑
私が歩いた軌跡の範囲は、、店舗、画廊、画材作業場、、と
屋内のみならず路地までがビッシリと展示スペース、作業スペースであった。
数百店舗はあるだろう!!



↓  地下鉄3号線は、途中から地上に出て高架走行する。  ↓


草埔駅から見える光景は、過密且つ広大な住宅ビルである。



↓  布吉駅は、、鉄道駅とも隣接する巨大な街  ↓

中国産業製品の輸出の巨大な窓口である深セン一帯の近代的な発展の現状には驚かされる。




列車は大芬油画村の真西を通過する。
↓ 大芬油画村の北の橋    南の端 ↓





大芬油画村の在り様、、一辺 3〜4百m   この建物の殆どが 画廊なのである。




地下鉄大芬駅から振り返った大芬油画村




大芬油画村の望遠映像




地下鉄大芬駅前   白いビルは、スーパーマーケットのウォルマート  ↓




地下鉄大芬駅前
↓  バス停は長く、、路線は多い。     露店が多い、、木苺は 4盛で10元 (150円)、レモン等は 7個10元 ↓




駅前から Walmart の間には、、個人的な露店がズラーッと並ぶ。




Walmart は前も中も超混雑である。   トイレは1階に (地下鉄にはトイレの設備はなかった)







Walmart の南の区画から、、、大芬油画村が始まる。  段差があり階段を下る。




大芬油画村、、、永年の募る思い故に 期待と焦りが重なる。


↑↓  左の整然とした一角が、衛星写真の白く長い斜めの建物だ。  ↑↓


各店は、、其々に展示テーマで特徴をだしているが、、販売専門で、画家自身が描いて販売している様子は見られなかった。




右手の(南)は、、大芬油画村そのもので、、店舗では、展示しながら内部では絵を描いているといった情景が多く見られる。





綺麗に展示された店舗、、、絵は複製画ではなく、独自性がある。





大分軽薄な内容の絵ばかり、、、





豪華な宮廷を描いた18世紀〜19世紀の複製がが多い。





風景画や動物画   全く私好みではない。





ブーシェ、フラゴナール、ラファエロ前派、ポインター、ヒルのビクトリアン、、あらゆる時代の複製画が見られるのだが、、
幅が広すぎて、、また こんなに種類が多いとの事前情報が無かったので、、事前に知識の予習が出来ていなかった。




オーッ、、立派な美術館まであるではないか!!









狭い路地のような道には、、外の壁面にも展示、、


タッチが明白で模造しやすいゴッホ



広い道、狭い道、、それを結ぶ路地、、とあらゆる所が展示場所となっている。



↑ 路地で下塗りをする女流画家、、、この反対側の壁に  ↑ この絵 ↑

この手の絵は、見た事が無いので、複製画なのかオリジナル絵画なのかは判らないが、、
精密に描かれて、、主題もポーズも良い。
チョッと魅力を感じたので、、ザックバランな女流画家に 「 幾ら? 」
「 300元 」

大芬油画村に入って、30分、、まだ数軒しか冷やかしていない。
他の店の探索を続けたのだが、、一通り回って、、何を買おうか?
真っ先に、、この絵の所に帰ってきてしまった。
 「 幾ら? 」  「 300元 」 と言っただろう!!との表情。

「 200元? 」 と値切ったら、、一瞬考えたが、、「 OK 」
「 NO FRAME 」 と言って 枠から外してもらい
路上でクルクルと巻いてテープを貼って手渡し、、、

なんとも風情の無いART作品の交渉成立風景である。



街の探索は続ける、、、










↑   店舗ではない小さな仕切りの中で、、学生のような人がブーグローを模写していた。  ↑

暫く背後から見ていたのだが、、なかなかに繊細に模写しているので、、
「 完成すれば、幾ら? 」
と聞くと、、なんと!!
「 1800元=27,000円 」
大量模写で、手馴れたものではなく
一品模写は手間がかかるであろう!



大芬油画村はまだまだ続く、、




クリムトは、やはり目立つのであろう、、結構多くの作品が見られた。










有名絵画の模写が多い、、、店番を兼ねて店頭で模写中、、




広い通り、、、






ルノアール、ドガ、モネ、、印象派中心











またもや ブーグロー、、、左の絵は、、額無しで 2,700元 = 40,000円
ブーグローの上品な色気に見せられて久しい。 紹介ページも作っている。









様々な形態の店舗を見て回ると、、、商売の仕方の整理がつく。

☆ 画廊 = 絵画の展示販売のみ、、背後に画家や職人がいる。

☆ 職業画家の経営する店舗 = 自分のオリジナルや複製品を中心に売る。

☆ 店舗を持たずに路地を作業場として、自作を壁面に展示する。



■ 売れそうな作品を量産し、他店にも卸す。

■ 注文を受けて、指定された作品の模写をする。
    世界の画廊を取引先としている。

、、、今回の私のように、、個人が気まぐれに購入するのは、金額的に少なくて
、、、多くの画廊の生産基地としての機能が大きいのであろう。
、、、世界の複製画の殆どを提供していると言われるのも十分に納得する。


そして肝心な作品のレベルなのだが、、
ベテランの描いた魅力のある出来栄え  と 見習いレベルの甘甘の出来と
幅が広いので、、描き手の技量を見極めなければならない。
良いの物は、、それなりに値が張る。









見たものを全て再現できないが、、思い出せるきっかけになれば良いと、写真を撮った。
再度、訪れる時の十分な予習の材料である。







大芬油画村を最初に訪れたのは、04/04(水)
2度目に訪れたのは、04/08(日)


2度目は、、別の通りから進入した。


額縁、カンバス作りの作業場が密集していた。 ↑

ロココ風の 「 ブランコに乗る恋人達 」 →
この絵は余程の売れ筋なのだろう、、アチコチで見かけるが、→
良い描き手のもので400元、安いもので200元であった。→

下塗りや部分を専門に手分けして分業体制もあるそうだが、、1階で描く人は皆 単独作業だ。







小さな店で、、目に留まった 『 天を舞う仙女の絵 』

展示している絵は、周恩来、ジャッキー・チェン、ヌード、とまとまりはないが、、

仙女の姿態や顔の表情の魅力に惹かれて  「 幾ら? 」

「 300元 」、、、

簡単に 「 200元 = 3000円 」 で交渉成立。

額から出して、、絵だけを巻いてもらう。


店頭で描いていた 「 肖青 」 氏の作品だ。

自分の店で自分の作品を売っている。




ゴッホを集めたお店、、、この店は安いのだが、、描き手の能力が素人に近い、、




東洋的宗教画、、美人画、、女性の描き手が真剣に描いていた。





誰だったか名前が思い出せない。








歩き回って、、そろそろ終わりにしようかと思った頃、、、
↓  観音様風の絵が目に入った。  ↓

同じ絵が、、ポーズを代えて数種類あり、、其々が魅力的、、、

作者オリジナルなのか模写なのかは判らない。
同じぽーずの絵が複数枚あったので、、
同じものを何枚も描いているので、、一品物ではない。


言い値は 「 380元 」
これなら、、300元に値切れると思い、がんばったのだが、、
中々に値を下げないのである。

「 2枚で 600元 」 と迫ったのだが、女店主は、、無理無理との仕草。
商売っ気はなく、、元々適正価格だと決まっている様子だ。

結局、、根負けして 「 2枚で 650元 = 9700 」 一枚 5000円弱 で購入。

名刺を見ると、、「 職業画家 陳進強 」 とある。 プロフェッショナルだとのプライドが感じられる。

2枚を丁寧に巻いて、、最後はプチプチで包装してくれたのだ。
ここ以外は、、全て絵だけを巻いて、テープ止めだけであった。

そして、、この絵だけがスーツケースに斜めにしても入らず、、
帰国の飛行機では、、手荷物として持ち込む。
当然に、、長すぎるのだがお咎めは無し。

日本での税関で、、それは何だ? と聞かれたが
油絵だ、、、 で 無事通過。



■  今回購入した油絵  ■



 『 天空を舞う仙女 』   62 x 94 cm  200元



蓮の花を持ち天を舞う、、、明るく爽やか  見ていて天国的気分になり、、心は陽気に且つ平安なり







『  観音女神  』   83 x 107 cm  325元

光輪が描かれているから、、仏か神



優しげなる顔、、母の如く、、且つ 恋人の如し、、、ラファエロのマドンナ東洋バージョン
大胆に立て膝のポーズが香しき色気を漂わせる。







『  四手観音女神風  』   83 x 107 cm  325元

光背は光輪ではないから、、踊り手なのかもしれない。

纏う衣も、、胸と下半身が離れ、お腹が露出、、、

左足を上げ、、踊っているかのよう、、









『 中国京劇風 娘 』    61 x 90 cm



この絵は、、最も気に入ったもの。


旗を背中に挿し、勇ましく前方斜め上を見つめる。
左手の表情の勇ましくあり、、小指の表情は艶かしい。
気がつけば、、胸は豊かに露出
重厚な衣装が前方に脱ぎ捨てられている。

どのような情況設定なのかは判らないが、、
美しく若き乙女の妖艶さが、、見る者の胸をときめかす。


↑   ただ気になるのが、、背景の暗部の仕上げ方に繊細さが足りない。  ↑
光の反射に美しさが足りないようである。
背景だけ、、塗り直してやろうか!






↓   『 モンマジュールを望むアルルのクロー平原 』 73cm x 92 cm Vincent van Gogh 1888年6月  ↓
の模写 72cm x 93cm  ほぼ同サイズである。



400元の言い値を 300元 = 4500円 で購入。
ゴッホの原画と比べてみると、各部の形が全く同一ではないが、、タッチも雰囲気も見劣りはしない。

明るい田園風景は、、我が部屋の正面を、無限の広がりに導き、、健康的豊かさ、明るさを印象付ける。



300元で購入した絵と、、150元の言い値の絵を撮ったものを比べてみた。
↓  購入した絵   V S   安価な絵  ↓



購入した絵のリアルさは明白である。


↓  購入した絵   V S   安価な絵  ↓


良いものを見て己の感性の尺度を上げておかないと、後で後悔する。


長年の希望であった大芬油画村探訪は、、大成功、、大満足の結果であった。
この調子だと、、またまた 訪問したくなってくるのである。
直前に確りと予習をして、、欲しそうなものの絵を印刷して持参し、、
店頭で見せて、、お目当ての絵を探しやすくしなければならない。

各店共に、、壁に展示してあるのは極一部であり、、、棚には多くの絵が重なりあって置かれている。
それを、、一枚一枚めくっていては、、効率が悪い。
欲しそうな絵を見せれば、、たちどころに、、そのジャンルの絵を探し出してくれるはずである。





広州起点に中国一人旅 目次へ       感動の共有、のぶながTOPページへTOPへ