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≪  石湾公仔 ・ 陶美人を買い増す  ≫

林乃河
播鏡全?
林偉東

杭州と広州 基点に2週間独り歩き(18)
2016/02/22 〜 2016/03/07




今回は石湾公仔街で、陶美人4体を購入する。
既に、11体所有していたので、
今回は、数よりも、質を重視して選択した。

↑   焼き上がりの色、細工の多彩さ基準に購入した4美人   ↑
左の3体は東興陶芸で、 右端の1体は、如意軒で購入。


2012/04 3度目の広州空港=初めての広州観光の帰路に、広州空港免税店で見たのが初対面で、
2014/05 北京の紅橋市場で購入したのがコレクションの第一号。
以来、、北京空港、骨董街、土産物等で探だしては販売価格を確認し、、あまりの価格の高低差に驚く。

最高値は、北京空港15年11月の 1598元、 最安値は、如意軒の150元(14/11と今回16/03は変らず。)
広州空港は、、2012/04 と今回16/03  も 380元 と変化無し。 それ以外は、、概ね 500元前後だ。
この大きな価格差に興味を抱き、、流通段階の最も窯元に近い所で購入すべきなのだが、、、
気に入った物に、気に入らない値段が付いている場合が多々あるので、、、このマイナス要因が一層深みにはめる。

結果的に、広州の公仔街、北京の瑠璃廠街 etc で購入してきて、現在 15体と少しはコレクションらしくなってきた。

これからは、、、陶美人の工芸品としての分析を意識していく段階に入る。



初めの頃は目移りして 何から選べば良いか定まらないので、、
↓  音楽好きの習性に逆らわずに、、楽器演奏美女群から、、、  ↓

↑  我が物になってから比較しt見ると、、楽器モノは、、装飾がシンプルなものが多いのに気がつく。  ↑


↓   音楽モノ以外の 我が家の美女群   ↓
名称は、、清代の小説 ”紅楼夢” の 金陵十二簪 が多いようだ。

↑  これだけ美女が揃えば、、自己満足も極まりに近くなる。  ↑






コレクションも初期段階は一段落したので、、いろいろと分析してみる。

様々な所で様々な価格で購入したのだが、、、最も気になったのが、、
其々の 作者・工房は、、何処 ?  と言う事。
最初の紅橋市場に、2種類のカタログがあったのを見たので、、複数の工房があると思っているのだが、
他店で購入する度に カタログの存在を尋ねるのだが、、見つからない。



↓  我が家の美女達の顔を比較して見た。  ↓


目、眉の描き方は、長く細く、、、同一人物だろう。



↓   上の3体とは表情が若干違う   ↓
口元の表情が優しい。




↓  下の5体はややシンプルか?  ↓




↑   顔の表情だけから判断すると、職人の個人差は感じるが、   ↑
全く違う工房とは言え無い程の差だ。



↓  イヤリングを見てみると  ↓
なんとッ !  15体全て同じものが付いている。
同じ工房なのか !!




↓  印判を確認すると、、2種  ↓


『 播鏡全 』 日本の漢字では表せない。  vs     『 林乃河 』

東興陶芸 で購入した3体が 『 林乃河 』
それ以外が、、全て 『 播鏡全 』 だった。

『 林乃河 』 を WEB検索すると、有名作家と判明。
『 播鏡全 』 は 正確な漢字ではないので
様々な 字で検索するが、、それらしき作者名は無い。

『 林乃河 』 は、3体とも 280元の言い値、
明らかに、、魅力度は高いので、、
値切ってやっと 250元 で購入した。


これで、、少なくとも 2軒の工房が確認できた。
しかし、、作品は、、装飾が多い少ないの差で
丸で兄弟工房のようである。


↓ 所有はしていないが、、WEB で出回っている 『 林偉東 』 の作品も ↓
耳飾は全く同じなのである。

作者の創意工夫があれば、、三者三様であって当然だと思うのだが?
昔のオリジナルモデルが決まっているのかも知れない。



↓    装飾部品の多い3体   ↓
 真ん中の1体のみ 『 林乃河 』 250元
両端は、、150元
価格差だけの差は、作品には感じられない。





↓  WEB上の 『 林偉東 』 を検証して見た。  ↓


顔の表情は、、明らかに、、庶民的と言うか、、貧相と言うか、、安っぽい。


↓  造形も装飾部品は多くないものしか見当たらない。  ↓

『 林偉東 』 は 有名な割りには、、二流 と言う事だろう!





■  陶美人の制作手順  ■






工場見学した石湾美術陶瓷廠では、
石膏型に 泥を投入して、
石膏の吸水力を利用した土台造りだったが、


我がお気に入りの陶美人は、、
前後の衣装を別々に
柔らかい粘土板を、型に押し付けて成形、、
その前と後を貼り合わせて胴体を作っている。

首から上は、、別に型造りしたものを差し込む。

重なる衣服は、、一枚一枚立体的に重ねる。

繊細な、、手首から指先も別造り。


頭部飾り、靴、、花などの装飾は、個別に貼り付け。

作品の接触する音は、、キンキンと鳴る。
陶器でなく、磁器の様に高温で焼成しているのだろう。



相当に 繊細な作業を積み重ねているのが判る。


マイセンのお猿さん以上に手順は複雑だ。
リヤドロなんてシンプルの極みだ。



 『 林乃河 』 の作品



団扇に結ばれた細い紐、、頭から肩に揺らぐ長い髪飾り
赤く波打つ腰紐、、花飾りは花びらが一枚一枚繊細に

↑  衣服の端は、、首輪周りは何重にも繊細な刺繍が、、  ↑
裾野方も何重にもレース状の装飾が、、

見れば見る程に、、繊細な心使いが見えてくる。




↑  幾重にも重ね着を丁寧に再現している。  ↑

ズボン、上着、、と其々成形し、重ね合わせる。  →
手首の腕輪は、、全ての作品に付いている。
腕とは離れて、、カラカラと動くものもある。


素晴らしき中国工芸品 !!!
漢民族の悠久の歴史に培われて、、現代に引き継がれているこだわりの精神に、、益々惹き付けられる。
訪問する度に、、発見があり、、その奥深さに、刺激される。


広州では、、機械によるセキュリティチェックは無いのだが、、祖師廟では、機械に通さねばならない。
今回、、、仏山市公仔街で、4体購入し、、祖師廟から地鉄に乗ろうとした時だ、
4体の入った発泡スチロールの箱を、セキュリティチェックのベルトに乗せて、ゲートを抜けると、、、
なんとッ!  ディスプレイのシルエットを見て危険物検査をしていた若い人が、、飛んできたのだ。 
繊細な割れ物の画像を見て、、「これは大変だ!」 と、、ベルトから丁寧に荷物を取り、、
私に手渡ししてくれたのだである。

危険物の有無を疑いの眼差しでチェックし続けている担当者が、、、
繊細な割れ物に気がついて、、席を立ってワザワザ、、手渡ししてくれるとは!!
無粋な作業に 柔軟な心で接していた中国の若人に感嘆しきりである。





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