『 棍棒で殴り合う2人の男 』 を教訓にして
原因、当事者は違えども、同じような悲劇が繰り返されている。
■ 歴史を学ぶ事という事は、間違いを繰り返さない。 良かった事を知恵として今に活かして応用する。
1個人としては、こうでありたい、こうあるべきだと思うのだが、、、、、、
■ 1746年に生まれ、1828年に亡くなった、≪フランシスコ・デ・ゴヤ Francisco
de Goya≫の時代も、 ヨーロッパは、ナポレオンの出現した時代であり、 スペインは、立憲主義 VS 絶対主義、自由派 VS 王政派、と不和と対立、圧制・暴力の暗い時代であった。
ゴヤの晩年、1819年〜1823年に(74歳頃)、隠れるように隠遁生活を送った聾の家の壁に描かれた≪黒い絵の連作≫は、ゴヤの鋭い人間観察の成果が凝縮した偉大な作品となっている。
■ ≪黒い絵≫の連作の一つ≪棍棒での決闘≫が、特に<時代・地域を超越した>ものとして迫ってくる。
足が大地に埋もれて逃げられない 「 棍棒で殴り合う2人の男
」 が描かれている。
☆ 足が大地に埋もれて逃げられない → イスラエルとパレスチナ、アフガンの民族対立、親子の憎愛 等など描かれた具体的な原因に留まらず、時代・地域を超越した内容だから、現代の我々にも痛切に教えようとしている。
歴史的にどちらも逃げられない、、、恋人、夫婦のいがみ合いなら別れれば解決するけど、親子の憎愛は逃げられない。
スペインの高原大地で、血を流して殴りあう 足が大地に埋もれ、逃げられない! 相手が倒れるまで止められない こちらが止めれば、殴られるのだ! |
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↓足元の拡大図 足の左に牛が2頭、右側にも家畜が多数放牧されている この2人は巨人なのだ、個人ではない 巨人に表現されているという事は、寓意なのである。 運命的に逃れられない対立する勢力・民族・国、、、あらゆるものに当てはまる |
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人は独りでは生きられない。 社会的に、他人と共存しなければならない。 逃れられないならば、、、、、 |
←人と人の関係は、こう在りたいものだ 不信より信頼、軽蔑より尊敬 それには、誠実であり、能力を高める努力が必要 |
↓ ゴヤ作の版画集 『 戦争の惨禍 』 より 1808年から6年も続いたスペイン独立戦争を題材にしている。 フランス軍、イギリス軍、スペイン軍、スペイン民衆のゲリラ闘争が入り乱れ 殺人、暴行、拷問、放火、憎悪、復讐の錯乱状態であったらしい |
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戦争の惨禍は、使用する武器が変れども 現代でも変らないはず。 爆弾投下の破壊の跡には 残酷な光景があるに違いない アフガニスタンでもパレスチナでも その悲惨さを思えば 軽軽しくは、戦争に GO とは言えないはず! |
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日経新聞(春秋)に紹介された『アフガン帰還兵の証言(日経新聞社)』の一部 「憎しみが意識をくもらせる。 家畜に至るまで皆殺しにした。」 「オトリの赤ん坊を助けたばかりに命を落とす将校。」 「あまりの惨状に心を病み、笑いが止まらなくなった従軍看護婦。」 「俺たちが英雄でないのは仕方ないとして、今度は俺たちを人殺しだって言うのか!」 |
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ゴヤ作ではないが、 30年戦争を題材にした作品 ↓ ジャック・カロ作≪戦争の悲惨≫1633年 戦争状態になれば、人間は変る 他人の痛みが快感になるのだろうか? 爆弾投下の指令に、その重大さを考慮されているだろうか? |
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↓ 人間、時代 を鋭く観たゴヤの名作 ↓ |
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『砂に埋もれる犬』 または 『流れに逆らう犬』 砂の流れは<運命> 埋もれてしまう運命を意味するのか 流れに向かう意欲を現すのか 黒い絵(2)へ |
『 巨人 』 または 『 パニック 』 ナポレオンのスペイン蹂躪の寓意 巨人はナポレオンか宰相ゴドイ、 逆にスペインを守る守護神か |
↓『 瀬戸物売り 』 タピスリーの為の原画 |
プラド美術館で見た現物 95/8 ゴヤは、若い頃はタピスリーの為に このような明るい作品ばかり描いていた。 年を重ねるにつれ 人間を見つめる観察眼は鋭くなり 晩年、客の為でなく 描かざるを得なかった『 黒い絵 』 を!! 人類の為に描いたのだ。 時代を、地域を越えた偉大な画家なのだ。 |
ゴヤの時代は、スペイン王宮(男女関係)、内政、列国の介入と、複雑に絡み展開している。 これを短い伝記本の文字をたどるだけでは理解が困難になる、と言うより、誤解してしまう危険が大。 ゴヤの伝記DVD(IVCF−205)は、スペイン国営テレビ製作で、5時間13分の大作であり、複雑な時代が映像で理解しやすく、記憶にも残り易い。 \12,800と値は張るが、偉大なGOYAを知るには、お薦め映像である。 |
現存の宗教は、和解、平和に貢献できない、無力であるどころか、
争い、戦争の原因に、鼓舞する原動力になっている。
真の聖人、偉大な指導者の出現が、待ち望まれる。 2001-11-09
掲載
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