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≪ ゴヤの黒い絵、砂に埋もれる犬 ≫
あるいは、 「流れに逆らう犬」 or 「運命に逆らう犬」
or 「砂に流される犬」Francisco de Goya 黒い絵 (2) |
134 x 80cm, 1820-1823 1820年頃(ゴヤ74歳)、聾者の家の壁に描かれた黒い絵 14点の内の一点 黒い絵(1)へ ↓ 形あるものとして描かれているのは、 ≪ 犬の首 ≫ だけという絵 ↓ 犬の顔の表情は、、、前方斜め上を、、怯えながら見つめている。 と言うべきか! 埋もれているのである、、多分、流れ下る大量の砂に 砂に埋もれる犬 砂に流される犬
運命に流される人生の指摘であっても、、 見る方はそれだけでは終わらない。 運命の流れが認識できれば、、 挑戦してやろう!と、、前向きにもなる。 この絵は、、元気になる絵でもある。 |
↓ あらためて、全体を眺めてみよう ↓ 画面の殆んどが、、曖昧模糊、、、 不気味さからくる恐怖感 小さく犬の頭がだけが、、 ゴヤの表現力 !!! 芸術家の表現力 というのは、、 描写力だけではない。 真摯に生きて、逃げずに向う。 自分ながらに、、悟りを開く。 そこで、問題点があぶりだされる。 真理の構成要素が見えてくる。 テーマ、問題点を見出す。 何を描くか! これが偉大な芸術家の最重要素。 如何に描くかは、、技術の問題ではない。 表現したいものの核心を知得しておりば 自ずと、、溢れ出て、描かれる。 無駄なものは無い。 ゴヤを並外れた偉大な芸術家と評したいのは、 この晩年の深く人間を見つめた問題認識・表現の為である。 黒い絵、版画集(戦争の惨禍、ロス・ディスパラテスetc) ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 黒い絵と言われる14点は、プラド美術館にあるが。 聾の家の壁から、、カンバスに移されたもの。 元々描かれた場所は
カンバスに移された後に、、 相当に 修正、加筆があったらしい。 X線検査の結果、、 初めは、壁に風景画が描かれ 後日に、その上に黒い絵が描かれた。 その下の風景画と、上の黒い絵とも関連があるそうだ。 これらを別に一挙掲載、ゴヤの黒い絵(3) |
ゴヤ、、 ゴヤはいつごろから、、私のゴヤになったのだろうか?
↓ プラド美術館の黒い絵の展示室 ↓ ↓ プラド美術館のカルトンの展示室 ↓ ゴヤは29歳の頃から タピスリーを織るための原寸大の原画 ( カルトン ) を63枚を制作している。 私のゴヤとの出会いは、、これらの隅々まで明るい絵から始まる。 40年前、、20代の頃、レコードのジャケットに多く使われていた。 フランスのエラートレーベルのレコードだ。 毎月、輸入盤探しを楽しみにしていた懐かしい時代である。 この100%の明るさが在ってこそ 晩年の深遠さが強烈になり、 受け入れるのに全く抵抗がない。 ゴヤが健康的に好きになれるのである。 『 日傘 』 104 x 152cm, 1777 『 葡萄の収穫 』 275 x 190cm, 1786 |
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