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≪ 『戦争の惨禍』 全作品 ゴヤ版画集 ≫

Los desastres de la guerra
1863年スペイン王立美術アカデミー出版の80作品(500セット)

2014/03/07

  


1746 スランシス・ゴヤ誕生

1807/


1808/05/02
1808/05/03
1808/07




 カルロス4世とゴドイの専制による圧政
フランス軍スペイン侵入
 カルロス4世とゴドイの失脚
 皇太子フェルナンドが7世となる
フランス軍に対し民衆蜂起
民衆蜂起はフランス軍に弾圧される
ナポレオンの兄がスペインの新王となる

スペイン正規軍はフランス軍に敗北を重ねる
フランス軍がスペイン全土をほぼ掌握
民衆のゲリラ攻撃頻発






1810






版画 『戦争の惨禍』 作成開始

1812
国民政府樹立の為の国民評議会結成
国民議会が自由主義憲法制定
1814/03

1814/05/13



フランス軍がスペインから完全撤退

フェルナンド7世期待されて復帰

フェルナンド7世の自由主義者弾圧

1814/03/14





絵画制作の請願が受容れられて
『1808年05月02日蜂起』 制作
『1808年05月03日銃殺』 制作



1819

1820
『聾の家』 購入
『黒い絵』 制作
版画 『戦争の惨禍』 完成
1824
1828/04/16
フランスへ移住申請・許可(亡命)
ボルドーでゴヤ死去
1863/03 版画集 『戦争の惨禍』 出版


版画 『戦争の惨禍』 は、その壮絶な場面から、目の前の現実を描き留めたように思えるが、、
1808/05 の民衆蜂起・弾圧より2年後、1810年頃作成し始め、
完成したのは、1820年と、フランス軍が撤退してから6年も経過してからである。
最初から纏まった物を意識していたのではないだろう。
しかし、出版に関しては、1820年に82枚の試し刷り(大英博物館蔵)を友人に送っている。

初版出版の際の用紙は、24.5cm X 34.5cm と統一されているが、
版画の部分は、122x198cm,128x178mm,148x192mm,147x192mm etc まちまちである。

版画は各々 「なんたる勇気」 「起りそうな陰惨な予感」 「理由があろうとなかろうと」
「理由もわからずに」 「これはもっとひどい」 「行くべき道を知らない」 等 と言葉が添えられているが
場面の詳細な説明とはなっていないので、見る者が誤って解釈してしまう可能性を含んでいる。
様々な解釈で納得のいかないものもあり、解釈を限定していまいそうにもなるので、
表題を省略して、其々の想像力で解釈した方が現実に迫れるだろう。



1808 〜 1820 年のスペインに限定しても、この激動の歴史の解釈は様々である。
フランスに対するスペイン独立戦争なのか、、ブルボン王朝の圧政に対する抵抗なのか、
自由主義者・保守派等の権力争いなのか、、、親仏派vs反仏派、貴族・知識人vs搾取される民衆、、
教会の堕落に、、、スパイ・裏切り、強盗・悪人etc
立場によって、現実の解釈・記述が違ってくる。 時間経過でも立場は変わる。

ゴヤ自身の立場も、、様々な断片が見られる。
進歩派とも親しく、
ゴドイの寵愛を受け、、
その時々の状況で画家としての地位を保持しつつ、、
ナポレオンの兄ジョセフ・ボナパルトやフランスの将軍の肖像画
1810年以降は愛国的、
対仏協力のゴヤ、、追求を恐れて逃亡、、
   etc  天才と称される人物を如何に認識するか、、
無責任な常識という先入観なく、己の知識を深めるには、事実のみを体感する訓練が必要だ。

一部の抜粋された作品の鑑賞だと、天才だから全てが素晴らしく善であると解釈する子供向けの偉人伝的になるが、、
残された作品を全部鑑賞する事は、、偉大さを 鑑賞者の判断で確信的に納得できるきっかけにはなるだろう。







CF. 『黒い絵』 全作品




↓   Jacques Callot ジャック・カロ 1592〜1635   ↓

『戦争の惨禍』 18点の内の一つ
フランス1633年









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