感動の共有、のぶながTOPページへTOPへ
写真豊富な のぶながワールド

≪ ラーナクプル・アーディナータ寺院 ≫

インド最高の建築 ジャイナ教寺院
Ranakpur Adinatha Temple

3度目のインド、ラージャスターン州 の街々 (5)
2011-12-18 〜 2011-12-24






ラーナクプルの アーディナータ寺院 (ジャイナ教)、、、

インド最高の寺院建築 !!!
初めて紹介の写真を見た時の驚きは、未だに驚き続けている。
それまでに、世界を旅して、結構 様々な寺院や彫刻を体感しているので
少々の事では驚かない私であるが、、、数少ない紹介の写真を見て、
『 行きたい! 行きたい! 』 『 いったい何処にあるんだ! 』
『 観光気分で行けるのだろうか?? 』


とり合えず、、、今回 体感した驚きの空間を再現である。
どれが 何処で 何であるかの整理整頓は、、その後である。


繊細な彫刻で埋め尽くされた空間


ドーム天井も、、一段と彫りの深さを競い、奥深さを強調する。




↑の画像の拡大写真  ↓




全てが大理石彫刻なのである。








この項目の建築構造の解説は、

 神谷武夫著 『 インド建築案内 』
             TOTO出版
からの私的な学習に因ります。

この貴重な労作は、
私のインド訪問の動機付け、、と言うか、、
掲載された未体験の写真の数々に
好奇心を焚きつけられ続けている。



■ ジャイナ教とは : (ジナ教) JAINA
Vardhamana (BC549〜477年) が開祖。
開祖の前に
既に23代の祖師・ティールタンカラが存在し、
初代ティールタンカラの名が、アーディナータ。

仏教成立と同時代。
バラモン教批判からカースト制度を否定。
厳しい戒律と苦行で輪廻から解脱を目指す。
多くの分派に分かれ一様でない。

5大誓戒= 1)不殺生 2)虚偽の禁止
3)盗み禁止 4)性的行為禁止 5)不所有
の内 不殺生が、農業不許可につながり、
商業従事者が多く、インド経済に重要な
位置を占め裕福な商人の不所有が
寄進による立派な寺院寄進につながる。

合理的精神から一方的な断定を避け、
相対主義で、、syaad スヤード
「ある観点からすると」 と限定的に認識する。
■ ラーナクプルのアーディナータ寺院
基壇の大きさ = 60m×62m
設計者 デパーカ
ソーランキー朝のラーナー・クンバ王治世の
1439年にダラナー・シャーが寄進。

■ ヒンドゥ教寺院などは、神を祀る建物であるが
いわゆる "神" のいないジャイナ教の寺院は、
祖師・ジナが教えを説く場所と捉え、
教えは一方向ではなく、四方に向くべきと
ここのアーディナータ寺院の
中央の聖室は、四方に開かれた構造。

平面図 (神谷武夫、George Michell)

☆ 本堂 ムーラ・プラーサーダ
 本尊 ムーラナーヤカ
 聖室 ガルバグリハ
 会堂 ランガ・マンダパ A

高堂 メガナータ・マンダパ B

二面堂 マハーダラ・プラーサーダ C
側堂 バドラ・プラーサーダ D

周廊 バマーティ
小祠堂 デヴァクリカー

玄関ホール バラーナカ

五堂形式 パンチャーヤタナ

既知の知識の整理をして、撮った写真を、順次並べてみる。



人里離れた山奥に建つ ジャイナ教の初代ティールタンカラに捧げたアーディナータ寺院、、
境内の一番奥にあるので、道路からは見え難い。
紹介されるのに 「突然現れる」 という表現が使われるが
そんなイメージではなかった。


「そろそろだな」 と期待しているので
ここがアーディナータ寺院だと判る。







ゲイトを入ると境内は広く、、駐車場も何箇所もある。
大型観光バス、小型観光バス、乗用車、、と多くの観光客

「知る人ぞ知る」 と言っても、やはり、世界中からとなると、人数は無視できない。



↓ 境内には、アーディナータ寺院以外にも複数の寺院が見られた。  アーディナータ寺院への長い参道 ↓




アーディナータ寺院 正面入口 (西面) 3層の威厳のある玄関ホール


カメラ撮影は、50R (75円)の Donation を払う。
階段下で履物を脱ぎ、帽子を取って入場参拝。




玄関ホール(バラーナカ)の1層目の天井から繊細な彫刻群で埋め尽くされている。





ストーリー展開のありそうなレリーフなのだが、、内容は読み取れない。





本殿内部への入口




大理石の白さに、、この繊細緻密な彫刻、、白地の部分が無いのである。

今まで カジュラーホやエローラで見たジャイナ教の繊細緻密さにも増して
徹底振りに感嘆させられる。








人物像、植物模様、、枠、面、、
変化のある配置デザイン



西から 本殿内部に入り、、北 → 東 → 南 → 西 へと廻る。

約60m四方の本殿内は、、420本の装飾された柱で支えられ、壁面では仕切られてはいない。

写真は、北 → 東 → 南 → 西 と廻りながら撮った順番に掲載する。
其々が 何処の部分だったかは、、記憶できない。
東西南北のテラスの位置で、、大凡の位置は判断できそうだ。




↓↑  中心に位置する本堂 (西面) 会堂 ランガ・マンダパ (A)  ↑ ↓

本堂は一段高くなっていて、信者のみ上がる事ができる。



高堂 メガナータ・マンダパ の天井ドーム   (B)


一番上の3層目、、、、見上げていても、、あまりの繊細かつ膨大さに、、細部の認識は不可能だ。
写真で拡大して、、「こうなっていたのか〜」 とあらためて驚かされる。




信者のみ許される本堂








並んでいる柱も、仕切り部分は同じだが、、仕切られた場面は全てが別のデザインだ。

同じ丸でも其々が違う、、「同じものが一つとしてない」 と言えるが
丸だと規定すると、、「同じようなデザインばかり」 とも言える。








北へ移動して、、ドームを見る。  ドームの構造は、、迫出し構造である。




壁面が無いので、、見通しは良い。  全てがワンルームだとも言えるだろう。

装飾が少ない柱も見受けられる。




天井の無い中庭的空間


北面だろう、、、















↑  柱下部の人物像の彫りは深い。  この位置からの光景は、印象深いものの一つだろう。  ↑
画像クリックで極大画像へ








像の彫像





↑   変化の大きい複雑さ   ↑








東のテラス









南からの太陽光    (北の中庭だろう)  


聖室の撮影は禁止される。










南面のシカラだろう             



シカラのテラスは3層
























南のテラス

















高堂ドームの彫刻だけでなく、、回廊の2層目の彫刻は、、一面が広いので確りとしたデザイン配置だ。





聖室上部の華麗なる塔   四方にテラスが設けられている。  通路があるのだろう、、、




小さな当の上部は馬なのだろうか?





↓  動きのある人物像彫刻  ↓

ヒンドゥー教寺院に比して、人物像(神像)が少なく模様が多いので、彫刻寺院としては印象が薄くなるのだろう。
ヒンドゥーのシヴァ神像のように芸術的に圧倒されるような彫刻がジャイナ教には少ない。





















南の太陽光を前面に受け輝いているシカラ。

西から北、南と周り、、元の西に戻る。



南から西の高堂を見る。





本堂の西面の会堂に戻ってきた。





本堂の西面の会堂




会堂上部のドーム










ただただ驚きで、、予想していたとは言え、、
巨大な空間に埋め尽くされた繊細さと、、それを実現した人間の精神力には
大いなる敬意と、、知的な性質の驚嘆の気持ちを、貴重な体験としたい。








去り難い気持ち一杯で、、外に出る。






2013年にタクシーチャーターして、クンバルガル城砦と共に再訪した。
13/03 2度目のアーディナータ寺院訪問記






アーディナータ寺院の北に
ラーナクプル湖があり、
周辺にホテル・レストランが数軒ある。

大きな R の Fateh Bagh Palace で
昼食をとった。




Fateh Bagh Palace  Palaceの名に相応しい建物である。






他に客は居なかったので静かに食事。



落ち着いたレストランの天井画が、、魅力的









食事内容は、、、礼儀正しさは Palace だが、、料理は普通に美味かった。






3度目のインド、ラージャスターン州 の街々目次へ    感動の共有、のぶながTOPページへTOPへ


テーマ別インド旅行記テーマ別インド旅行記へ