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≪ サンチー 大ストゥーパ & トラーナ ≫

Sanchi Great Stupa & Torana
サーンチー、トラナ(塔門)

インド旅行、彫刻を中心に(14)
2008/12/23〜2009/01/02








大ストゥーパの東のトラナ(東門)持ち送りのマンゴー樹下のヤクシー女神像 (樹の精霊)

青空に映える三屈ポーズの魅力あるヤクシー女神像が最大の吸引力である。






敷地内に、大ストゥーパ(第1ストゥーパ)
第3ストゥーパ
西に離れて第2ストゥーパがある。

周囲には、、崩壊した状態であるが、
多くの大小仏教寺院、僧院が点在している。

☆ 大ストゥーパ
紀元前3世紀、アショカ王の時代にレンガ造り部分が建造。
紀元前2世紀以後、石で増営され、トラナ塔門が造られた。

☆ 第2ストゥーパ
紀元前2世紀にブッダの10高弟の為に建造。
☆ 第3ストゥーパ
紀元前2世紀にブッダの2高弟の為に建造。
* STUPA=仏塔、卒塔婆




↓ 北側から見る第一ストゥーパ(右)、第三ストゥーパ(左) ↓

これらのストゥーパを、ストゥーパだけが写っている写真を見るのとは、イメージが異なる。
イタリア・ヴィツェンツァの有名な建物 ロトンダ (パラーディオ作)の場合と同じだ。
周囲の大空間と周辺の田園風景があってこそ、そのシンプルな形の組み合わせの偉大さが映えてくる。

ここサンチーの大ストゥーパは、、広大なシンプルさの中で劇的な存在となっている。




↓ 大ストゥーパの上の周回路(にょうどう)から北塔門を通して、広大なインドの田園風景を見る。 ↓
爽快なのである。




第一ストゥーパ(大ストゥーパ)、直径36m、高さ16m
アショカ王の時代(紀元前3世紀)は、今の半分の大きさ、、紀元前2世紀頃に石で仕上げられ大きくなる。
紀元前1世紀頃に、東西南北四方のトラナ・塔門が建造された。




第三ストゥーパ、、直径15m、  紀元前2世紀頃。  大ストゥーパの直ぐ近く。
塔門は一つだけ、紀元前50年頃建造




第二ストゥーパ、、直径15m、  紀元前2世紀頃。  大ストゥーパの西500m
塔門はなく、、丘の頂上から下り、中腹に位置する。









☆ 第一ストゥーパ ( Great Sutupa ) ☆


中央のストゥーパを右回りに回る為の道(にょうどう)は、上下二つあり、
南側に上のにょう道への階段がある。



北の塔門(トラナ、Torana)の浮き彫り


塔門の浮き彫りには、、ブッダの誕生、出城、成道、初説法、涅槃、、前世物語、、庶民の日常生活etcが彫られている。



北の塔門を裏面




裏面の3本の横梁の浮き彫り拡大




真ん中の横梁浮き彫りの拡大画像(左半分)

繊細、丁寧に描写されている。



真ん中の横梁浮き彫りの拡大画像(右半分)

左半分よりは、、彫刻家の発想は活性化している。  熟練度も勝れている。



北門の2本の柱、、表面
右の一番上の女性像だけ、、裏面にも女性像。

一番下の持ち送りの女神2体が大きく、、上に小さな4体、、計6体の豊満な女性像。
東西南北で合計、24体あったはずである。

女性の豊満な肉体は、、豊穣・多産の賛美を表す 汎インド的な造型である。



↓ 柱の浮き彫り ↓







* 寄進
サンチーでは、631の寄進銘が確認されているそうである。
これらの石造は、、権力者達だけの寄進ではなく、、普通の人々、商人組合、村、、様々な集団、個人の寄進に寄っている。
仏教、ヒンドゥ教の宗教に関わらす、寄進による功徳が来世・現世の幸福につながる、と一般に深く信仰されていた。
       カルマ・ karma・ 業 =善悪の行為は、因果の道理によって必ずその結果を生む。

浮き彫りの各所に、文字が刻まれているのは確認できる。


サンチーのストゥーパが拡張されたのは、ヒンドゥの時代であったが、、
ヒンドゥの施政者も、、この仏教寺院に寄進をしている。  また 多くの彫刻家達もヒンドゥ教徒であっただろう。
インドにおいては、、宗教は排他的ではなく、お互いに寛容に共存していたようである。

カンボジアのアンコール遺跡群を訪れても、、
宗教の王宮内の権力交代に過ぎず、寺院遺跡はおおらかに寛容であったと印象付けられる。
西洋において排他的であった宗教対立が、、宗教=権力争い の図式が拡がったのは、、キリスト教の不寛容の現実、、
教義とは違う、運用と言う現実がある。  、、、、、、、、、


* 単に観光しているだけなのだが、、インドにおける寛容なるものが、次第に意識されてくる。
  寛容=他人への無関心、、、様々に頭の中は流動化、、、、、未知を体験する事は楽しい限りである。







☆ 東塔門 ☆

単体で取り出しても、、芸術的と評価される、マンゴ樹下のヤクシー女神 (樹の精) ↓

インドにおいては、古来より、女性像=吉祥、豊穣、繁栄 と連想され
仏教、ヒンドゥ教 等の宗教に関わらず、汎インド的な信仰なのである。
しかも、、女性像=官能的 なる図式は絶対的である。
ヒンドゥ教、ジャイナ教、、と長い時代を通して、
其々の寺院を魅力あるものにしている。

と言う程度ではなく、、、、、彫像においては、
熟練の士、並外れた美的感性の持ち主が担当している場面に多く出会う。
明らかに、、寺院彫刻の中でも重要視されていると思われる。


キリスト教における イブ のように人間の堕落に通じる、、or
日本における女人禁制・ケガレ に通じる発想とは全くかけ離れている。



東塔門の表面




東塔門の裏面

東方向に 第45僧院跡が見える。


↓ ヤクシー女神の背面
髪の毛の豊かさ、、腰のひねり、、が刺激的。










☆ 南塔門 ☆

南塔門の表面、、欠落部分が目立つ。





裏面、、、向うに 第18寺院跡が見える。




南塔門の前から、、上に行く階段がある。
下段

上段



上から見た第17寺院跡




中央ストゥーパの表面









☆ 西塔門 ☆


表面




西塔門の裏面、、、、広大な風景が展開する。




遠くで、、、長い列車が走る、、、、







☆  第3ストゥーパ ☆





第3ストゥーパの一つしかない塔門









大ストゥーパの西に、、第51の僧院跡、、その下に第二ストゥーパがある。




☆ 第二ストゥーパ ☆

塔門も無く、、シンプルである。




2'nd Stupa 越しに見る、、鉄道、、、頻繁に列車は通過する。




2'nd Stupa 越しに見る、、鉄道、、、頻繁に列車は通過する。


2010/11 再訪時に、鉄道からストゥーパを撮った。



塔門は無く、、周囲の柱に簡素な浮き彫りがある。









Great Stupa の東にある 第45僧院跡




第45僧院跡は広い敷地である。




仏像がヒッソリと、、、、




遺跡は整理整頓されている。
めぼしいものは、、博物館や、、一般に持ち出されているのだろう。


丘の下に 考古学博物館があるが、、撮影禁止。
見るべき展示物は、、少々、、、、
SHOPは無い。









ボパール 〜 サンチーの踏み切り

1度遮断機が下りると、、10分以上は上がらない、、、
対向車線にも大型車両が並ぶ、、、
当然、、正面衝突になるので、、気の弱い方が、待ち、、道を譲る。



片道1車線なのである。  左のバスが反対車線にでしゃばっている。





2度目なので、、、我々も慣れている。

踏み切り横には、、、、
待ち人目当ての軽食屋の仮説小屋が大繁盛。

車を降りて、、写真三昧である。


州ごとに交通ルールが決まっているらしい。
対向車線に出てもトラブルにならないのが不思議である。
この州は、、これが当然なのだろうか??


バイクのヘルペット着用も、州によって違っていた。




揚げて、、



甘いシロップに浸ける。





食堂の周辺は、、当然に食べ残しが出てくる、、、

カラスが、、常時待機している。
インドのカラスは、、真っ黒ではない。




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