写真豊富な、のぶながワールド
■ 気分爽快、元気になる絵画、テェエポロ(1696〜1770)
真近に鑑賞して細部の描写技術が素晴らしい という事ではない。 描かれている光景が爽快!
爽快になる主題を選び出し、爽快に構成し、爽快に描く。 そして、その場に居る者を気分よくさせる。
己の病的な悩みを、拘るばかりでマスマス落ち込んでしまって、そこから抜け出そうともしない、、、
そのような個人的なモノを鮮烈に、あるいはオドロオドロしく描いて、同類の不幸な鑑賞者をオタクにさせる絵画も多い。 そのような関連本の方が本屋には多い。 拘る人は本もよく買ってしまうのだ。
そのような絵画とは遥かに異次元の世界が、ティエポロの醸し出す絵画空間なのである。
大きな宮殿の天井に、舞い上がるように描かれた大空間は、現場で味わうのが一番だ。
■ 美術館で額に入っているティエポロの絵も巨大なものが多い。 が、、
壮大な爽快な天井画を認識しないで、額絵だけを見ていると、ありふれた画家に振り分けられるかも知れない。
その額絵でも、美術館の部屋に飾られていると、部屋に入った途端に、「ヤッ! ティエポロだ!」 と目に付く。
美術館内の額絵だけでティエポロを判断してしまうと、ティエポロは誤解されてしまうだろう。
依頼者の宮殿の為に壮大に描かれた作品、その周辺の装飾と共に、その空間の贅沢な優雅さを、少しでもわが身の周辺に、、例え頭の中だけでも持ち込みたいのだ。
ドレスデンで遭遇した爽快な絵 |
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← 部分拡大画像 ↓ ティエポロは数点あった。 事前に存在を知らなかったので、突然、目に入った時は、思わず笑みに満ち溢れた。 2003年, Alte Meister |
↓ (バルバロ家の賛美) Apotheose der Familie
Barbaro, 253.8 x 466.8 cm, Metropolitan, New York |
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↓ (ピサーニ将軍の賛美) Apotheose des Admirals
Vettor Pisani,1743 Fresko, Palazzo Pisani-Moretta, Venezia |
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↓ <アンドロメダを救出するペルセウス>部分 エロティックな情景を描く画家が多い中 ティエポロの手にかかると 健康的な爽やかな画面になる。 Frick Collection、New York |
↑<Engelsturz> 1752, Wurzburg Residenz Oil on Canvas, 700 x 250 cm の部分 |
↓ <イサクの犠牲> 1726-1729 Fresko, ca 400 x 500 cm, Palazzo Patrriacale, Udine |
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↓<西風の神と花の女神> |
←<ゼフュロスとフローラの勝利>1734-1735 Oil on Canvas, 395 x 225 cm Ca'Rezzonico, Venezia ↓<聖シモン・ストックに現れる聖母子>ca.1748, 533 x 432 cm,の部分 Scuola dei Carmini, Venezia |
↓<聖母マリアの昇天> 1752, Wurzburg Residenz Oil on Canvas, 700 x 250 cm の部分 部分拡大 → |
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←<雄弁の勝利> Triumph der Beredsamkeit 1724-1725, Fresko, ca.650 x 1070 cm Palazzo Sandi, Venezia ↑ 左の部分拡大画像 |
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↓ 上の部分拡大画像 |
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↓ <雄弁の勝利>の部分拡大画像 |
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↓下左の大天井画<ピサーニ家の賛美>の中央部部分拡大 |
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↓ <ピサーニ家の賛美>1761-1762 Fresko, 2350 x 1350 cm, Villa Pisani, Stra |
↓ <スペイン王家の賛美>1762-1766 Fresko, 1500 x 900 cm, Palacio Real, Madrid この絵は左右反対に掲載した画集がある。 |
↑ <ペガサスに乗るBellorophon>1746-1747 Fresko, 600 cm, Palazzo Labia, Venezia ←<スペインの栄光>部分1762-1766 マドリッド王宮王座の間,2700 x 1000 cm |
大階段室の踊り場から |
大階段室の階段途中から |
↓ 大階段室の大天井画、Fresko, 1900 x 3050
cm 中央が<オリンポス山>、四方が<4大大陸の寓意> |
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← オリンポス山の中心部の拡大画像 この天井画は、19m x 30.5mの巨大さだ。 事前に写真で見ていたが、大きさに圧倒された。 ティエポロの作品では最大のもの。 部屋は少し暗い、 持参の双眼鏡で、各寓意を確認するが 個々の印象を記憶できるものではない。 全体の印象をシッカリと感じとる事が優先だ。 システィーナ礼拝堂のミケランジェロの絵と同じく、 事前に画集で個々の絵を確認しておかなければ 現場では戸惑うばかりだろう。 |
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↑ <アメリカ大陸>の一部 |
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<アフリカ大陸>の一部 → ↓ <アジア大陸>の一部 |
↓ 皇帝の間 ↓ 建物は、バルタザール・ノイマン設計、 白地に色大理石、金箔、ストッコ等の装飾は、彫刻家のアントニオ・ボッシ作、 天井画と周囲の壁がティエポロとその息子達の手になるもの。 正面の絵は<ヴェルツブルグ初代司教アロルドスの叙任> ここでは音楽会も行われる、、、体験したいものである。 偶然に、この部屋の写真に魅せられたのが ”始まり” である。 このように華麗に繊細に品格をもって装飾された部屋はカツテ知らなかった。 一種のカルチャーショックであった。 (ヴェルサイユの鏡の間等には何の刺激も受けなかったが、、、) ヴェルツブルグの司教館?? ウェルツブルグって何処にあるの?? まさか、数年後にここを訪れるなんて想像だにスラさえ しなかったのだが、、、、 |
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↓ 皇帝の間の天井画 <花嫁ベアトリスを、領主バルバロッサに導くアポロ> |
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天井画の → 花嫁であるブルゴーニュのベアトリスを運ぶ アポロと馬車の部分 天井画の場面の続きが 壁画の<バルバロッサの婚礼>となる。 「ティエポロは実物を見ないと解らない」 のページに掲載 依頼主のウェルツブルグの華麗なる歴史で 室内を飾ったのである。 依頼主の感激は当然の事、、 大階段室の追加依頼とつながっていくのである。 |
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ティエポロの壮大さ、爽快さは、やはり、実物を見ないと解らない。
華麗なる爽快さに満ち溢れた空間が魅力なんだ、、、その場に行かないと実感できない。
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